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D.キタエンコ+ザグレブフィル=ストラヴィンスキー「交響曲変ホ長調」他

2018-05-03 | 音楽 - ストラヴィンスキー
 先日買ったCDを聴いた.D.キタエンコ指揮+ザグレブ・フィルハーモニックによる,ストラヴィンスキー・交響曲変ホ長調ほか.

 終始きわめて遅いテンポを採り,スコアの隅々まで正確に再現した演奏であるが,その慎重な足取りがどうにも音楽の流れを悪くしてしまっているのが残念.極端に言えば,単に音符を組み立てているだけで,この曲が持つロシア的な大らかさや,若い作曲家の生き生きとした感性に耳を傾けていないのだ.これは,ひとえに指揮者の責任に負うところだろう.ザグレブフィルは,特徴には乏しいながらも,技術的に安定したアンサンブル.ただし,金管セクションは譜読み・吹奏ともにやや雑.なお,曲中のところどころで,譜面には書かれていないパーカッションの追加が聴かれるが,初期の出版譜に参照したものだろうか?いずれものちに削除されたことに納得の,余計な騒音という印象.録音は鮮明であるが,各パート,とりわけ弦楽器群に近接しており,残響も少なく全体的な雰囲気に欠ける嫌いも.
 併録の組曲両題も同様の感想.なかでも,ワルツでの割り切ったような装飾音の扱いは,せっかくのアドリブふうの楽想を台無しにするもので,心底つまらない.


STRAVINSKY: SYMPHONY IN E-FLAT MAJOR op.1
Zagreb Philharmonic,
Dmitri Kitayenko (conductor),
OehmsClassics,OC 1888

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