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G.ヒメノ+ルクセンブルクフィル=ストラヴィンスキー「バレエ作品集」

2018-11-05 | 音楽 - ストラヴィンスキー
 先日買ったCDを聴き終えた.G.ヒメノ指揮+ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団による,ストラヴィンスキー・バレエ作品集.

 どのナンバーもやや遅めのテンポを採り,譜面の隅々まで正確に再現した演奏.ルクセンブルク・フィルは,特色には乏しいながらも高水準の技術に安定しており,何より強奏時にも混濁しない率直なアンサンブルは魅力だ.ヒメノの曲作りは,各パートを明るい音色で鳴らしてストラヴィンスキーのきめ細かいオーケストレーションをじゅうぶんに聴かせるいっぽうで,音楽の生き生きとした流れやスピード感といったものには関心がないようだ.いっさいのカンタービレを排した旋律の扱いもぎこちなく,終始平板な印象をあたえる.つねづね思うに譜面を大切にするというのは本来,表現の結果として譜面どおりになることであり,「ただ譜面をなぞれば譜面どおりの演奏」というのでは,まったく転倒した方法論と言わざるをえない.録音は極めて優秀であるが,弦セクションにいささか近接.
 おととしの蘇演以来,このごろ演奏機会が急増する「葬送の歌」は,初期のストラヴィンスキーらしいロマンティックな作風が美しく響くものの,やはり曲全体としては冗漫で,繰返し聴きたいとは思わない.というのも,いくら恩師の死に寄せて書かれたものとはいえ,むやみに悲痛な曲想があるだけで,そこへこちらが共感していく余地を残していないのだ.「悲しみ」を「悲しみ」で塗りたくって描写してしまう感性というのは,例えるなら,舞台上で自分が泣いてみせれば観衆も泣くと勘違いしている三流役者のようだ.


IGOR STRAVINSKY: Le Sacre du Printemps et al (2SACD-Hybrid)
Orchestre Philharmonique du Luxembourg,
Gustavo Gimeno (conductor),
PENTATONE,PTC 5186 650
ジャンル:
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