ケニチのブログ

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映画「A2」

2018-09-20 | 映画・TV
 先日買ったDVDを観た.映画『A2』.

 旧オウム真理教の集団住居に潜入し,同教関連の騒動があれば現地へ走り,それぞれで繰り広げられる信者と近隣住民の衝突や交流の実態を追いかけたドキュメンタリー.まずは,オウム信者たちのどこまでも内気な素顔と,市民団体など反撥勢力との対話が,その最前線においては実はごく穏やかに行なわれていることが,強く印象に残る.また,いちいち仲裁にしゃしゃり出てくる警察が双方から疎ましがられているのには,失笑を禁じえない.撮影時,事件から数年が経過しているとはいえオウムを取り巻く状況は依然厳しく,敵意むき出しの世論やマスメディアから追及され続ける信者たちの暮らしは,やはり大混乱である.当時の報道を何となく憶えているだけの僕でも,彼らが河野さん宅を訪ねながらも終始ヘラヘラしている様子を観ていて,未だに嫌悪感が沸き起こってくるのだ.いっぽう,若い信者の一人のもとへ,新聞記者となった旧友がインタビューにやってくるシーンは,互いへの親しさと警戒,批判が言葉少ななやり取りに見え隠れし,和やかかつ面白かった.全編に亘って森監督は黙って撮り続けるが,ときどきカメラの後ろから意地悪な質問を投げかけ,相手側は押し黙ってしまうこともしばしば.かと思えば,そんな氏も別のシーンでは,深夜に胃洗浄の修行に勤しむ信者の傍らでなかなか寝付けなかったり,右翼団体を取材する際に街宣車に乗せてもらってはしゃぐなど,被写体となって笑われる役にも回るので,さほど憎たらしい存在でもない(その意味ではいちばんズルい).


映画『A2』
マクザム,MX-128S

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