ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

M.スターン+カンザスシティ響=ホルスト「惑星」他

2020-03-24 | 音楽 - ホルスト
 先日買ったCDを聴いた.M.スターン指揮+カンザスシティ交響楽団による,ホルスト「惑星」ほか.

 終始やや遅めのテンポを採り,譜面を正確かつ念入りに追った演奏.スターン率いるカンザスシティ響は,高水準の技術で明るい音色のアンサンブルに安定しているが,各セクションとも過剰に抑制されており,この曲ならではの迫力や広がりを全く感じられないのは残念.ふだん埋もれがちなパートが露出して耳に新しいものの,ただそれだけのことであり,すべての音符がことごとくむき出しで聴こえてくるさまは,音楽の生き生きとした流れや陰影を損なうのみならず,プレイヤーたちの作為をとかく際立たせて,気色が悪いのである.録音は鮮明であるが,それぞれの楽器を間近から集音し,鑑賞者の周囲に人工的に貼り付けたような,これまた胡散臭いサウンド.実際,編集点らしきノイズの変動が頻繁に聴かれ,エンジニアによる操作をいちいち思わせて,はなはだ興ざめである.


HOLST: THE PLANETS (SACD-Hybrid)
Michael Stern (conductor),
Kansas City Symphony,
REFERENCE RECORDINGS,RR-146SACD

B.ハイティンク+ロンドンフィル=ホルスト「惑星」他

2019-11-16 | 音楽 - ホルスト
 先日買ったCDを聴いた.B.ハイティンク指揮+ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団による,ホルスト・組曲「惑星」ほか.

 終始遅めのテンポを採り,譜面を正確に追った演奏.ロンドンフィルは,やや硬い表情ながら,充実の技術とアンサンブルに安定しており,この曲ならではの迫力にも事欠かない.ハイティンクの曲作りは,オーケストラを隅々までじゅうぶんに鳴らすことに注意したものであるが,ここではそれが裏目に出て,どうにも音楽の流れが失われがち.一つ一つの音符が独立に鳴っているだけで,意味のある繋がりになっておらず,何らの感慨や情景を喚起しないのだ.録音は鮮明であるが,すべてのパートが間近から聴こえるような,いささか雰囲気のないサウンド.

 併録のエニグマ変奏曲では,その楽想のためかいくぶんカンタービレを取り戻してはいるものの,全体の印象としてはホルスト同様.


ホルスト: 《惑星》/エルガー: エニグマ変奏曲
ジョン・オールディス合唱団,
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団,
タワーレコード,PROC-2243

A.リットン+ベルゲンフィル=ホルスト「惑星」他

2019-08-15 | 音楽 - ホルスト
 先日買ったCDを聴いた.A.リットン指揮+ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団による,ホルスト・組曲「惑星」&エルガー「エニグマ変奏曲」.

 両ナンバーとも,やや遅めのテンポを採り,譜面の隅々までじっくり描き出した演奏.ベルゲンフィルは,持ち前の安定した技術と,一種の暗さを伴った美しいサウンドで,混濁しない清新なアンサンブルに一貫している.いっぽうで,リットンの曲作りは,楽想の変わり目やカンタービレ部分での過剰な強弱の起伏とルバートが煩わしく,心底うんざり.聴き手が音楽に共存し,呼吸するための「隙」を,ちゃんと残しておいてくれ.録音は,各セクションを鮮明に捉えながら,ホールの残響をもよく再現した優秀なもの.


Elgar: Enigma Variations・Holst: The Planets (SACD Hybrid)
Bergen Philharmonic Orchestra,
Andrew Litton (conductor),
BIS Records,BIS-2068

大友直人+東響=ホルスト「惑星」

2019-06-20 | 音楽 - ホルスト
 先日買ったCDを聴いた.大友直人指揮+東京交響楽団による,ホルスト・組曲「惑星」.

 終始やや遅めのテンポを採り,譜面の隅々まで丁寧に再現した演奏.東響はいま一つの特徴には乏しいながら,正確な技術とアンサンブルに安定しており,強奏時にもうるさくならない清新なサウンド.また,音楽のディテールへの気配りと適度なカンタービレを両立した大友の余裕ある曲作りは快適である.欲を言えば,「水星」にもう少しスピード感があるとなお良かった.録音は,各セクションを鮮明に捉えつつオーケストラ全体の雰囲気にも事欠かない良好なもの.


ホルスト: 組曲「惑星」
大友直人 (指揮),
東京交響楽団&東響コーラス,
キングレコード,KICC 1120

トルヴェール・クヮルテット演奏会

2017-10-07 | 音楽 - ホルスト
 夜,宗次ホールにて行なわれた,トルヴェール・クヮルテットの演奏会を聴いた.ラヴェルの弦楽四重奏曲からのリダクションは,こうして聴くと元々この編成のために書かれたかのように感じられるものだ.

 それにしても,プログラム冊子の表紙にデカデカと,ユニット名のスペリングを間違えているのは,いかがなものだろう?


トルヴェール・クヮルテット 30周年コンサート
【演奏者】小柳美奈子 (ピアノ),トルヴェール・クヮルテット
【日時】2017.10.7 18:00-
【場所】宗次ホール
【曲目】
■J.S.バッハ: G線上のアリア
■F&M.ジャンジャン: サクソフォン四重奏曲
■J.リヴィエ: グラーヴェとプレスト
■G.ホルスト=長生淳編: 「トルヴェールの《惑星》」より “金星” “木星”
■M.ラヴェル=新井靖志編: 弦楽四重奏曲
■長生淳: ティプシー・チューン
■S.フォスター=B.ホルコム編: ドゥーダー組曲 (アンコール)