製作地 インド南東部 コロマンデル海岸エリア Coromandel coast
製作年代(推定) 18世紀
渡来地・使用地 シャム王国 アユタヤ王朝期
素材/技法 木綿、天然染料 / 手描き(カラムカリ)、媒染、防染、片面染め
サイズ 横17cm、縦32cm
アユタヤ王朝期のシャム王国でデザインされ、インド南東部コロマンデル海岸エリアで手掛けられた交易染織としてのシャム更紗、宮廷儀礼用布の本体柄部分の断片です。
”火焔状花模様(ライ・カノック)”と呼称される花繋モチーフの連続文様が総手描き(カラムカリ)によりびっしりと染め描かれたもので、17cm×32cmの小裂ながら、サイズが小さい分、毛抜き状の描線(防染描)と色の染め分け(媒染描)の細密ぶりが際立って目に写ります。
インド更紗特有の媒染茜染めにより赤(明礬)と焦茶(鉄漿)が深く力強い色味で発色及び定着しており、250~300年前後の時を経過しながら色褪せることの無い卓越した染色技術に圧倒される思いがいたします。
また糸遣いの繊細さ・織り密度の高さ・滑らかさも特筆すべきもの、当時インドが保有していた木綿染織全般にわたる高度な技術が小裂のうちに凝縮されている様を確認することができます。
(光学顕微鏡による画像)