製作地 カンボジア・コンポンチャム
製作年代(推定) 20世紀初め
民族名 チャム人
素材/技法 絹(カンボウジュ種)、天然染料 / 綾地・緯絣
カンボジア南部のコンポンチャムに生活する”チャム人”の手による、格子織物を思わせるモザイク様のデザインが新鮮な腰衣(サンポット)としての絹絣作品。
高度な天然染色によって表現された色彩の美しさが筆頭に挙げられる作品ですが、拡大画像で確認できる、綾織による斜めに走る畝、繊細な色グラデーション(ラックの赤~掛け合わせ色の臙脂)及びランダムな絣足が、この絹絣に絶妙な躍動感とリズムを与えていることが判ります。
遊び心を交えつつ、絣の特性を巧みに生かした織物表情が見事と言える一枚です。
下は同じカンボウジュ種絹とラック・プロフー等の天然染料主体でつくられた絹格子織物で、均等平地でタイトに織り上げられた組織表情が美しく、経・緯の色の配色が秀逸な古手の作例です。
拡大画像で目に出来るように、色を染め分けた糸が用いられているかのごとき経・緯の色の溶け込み(同化)具合は興味深く、高度な視覚効果の計算がなされているようにも思われます。
●参考画像 同じカンボウジュ種絹と天然染料(主体)でつくられた絹格子織物
製作地 カンボジア南部
製作年代(推定) 20世紀前期~半ば 1940-50年前後
民族名 チャム人 若しくは クメール人
素材/技法 絹(カンボウジュ種)、天然染料主体、化学染料(紺紫) / 均等平地・格子織