アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

サムヌアの手紡ぎ木綿の腰紐

2011-09-26 06:23:00 | 技巧・意匠・素材












ラオス北東部のサムヌア地方の女性が、筒型スカート”シン”を履く際に腰紐(ベルト)として用いる伝統を有してきた手紡ぎ木綿糸の束紐”アーン(aeng)”。サムヌアの土地の白綿と茶綿の手紡ぎ糸で仕立てられるものです。

製織用の”かせ”としての木綿糸とほぼ同一のものですが、織り手女性が糸や機に宿る神様への感謝と祈りを込めて使い始めたのが、その由来と考えられており、織り手の誇りを象徴する衣装小物とも感じられます。

現地の若い女性は、ただの木綿糸を腰に巻くことなど恥ずかしくてしないということですが、熟練した織り手のおばあちゃんでなければ似合うものではない、というのも確かなようです。