最初の一冊~松村比呂美

自著の宣伝のために始めたブログですが、今では、風景や食べ物の写真が主になっています。

『スピリチュアルズ 「わたし」の謎 』橘玲(著)

2023-12-04 | 小説
橘玲さんの『スピリチュアルズ「わたし」の謎 』(幻冬舎文庫)を読了しました。


友人にすすめられて読み始めましたが、面白くて、350ページを一気に読んでしまいました。
少しだけピックアップします。
「博愛主義者は共感力が低い」
多くの偉人たちは低い共感力によって偏狭な部族主義を脱し、より広い視野で自分とは異なるひとたちの幸福を真剣に考えることができた。

ここに挙げられていたのは、あまりに有名な博愛主義者たちでしたが、身近な人たちには冷淡だったそうです。
「共感力」について、これまでとは違う視点や観点からじっくり解説されてあり、いろいろ考えさせられました。

「喜びや幸福は色あせていく」
発見された当時、ドーパミンは「快感」を生み出す神経伝達物質(快感物質)だとされたが、いまではそれが「期待」物質だとわかっているそうです。期待というのは「なにかを獲得したい」という感情であり、「欲望/衝動」のことだそうで、食べ物であれ性愛の相手であれ、なんらかの「快」を感知すると、脳内にドーパミンが溢れて報酬回路を活性化させ、それを手に入れたいという衝動を生み出すとのこと。
このあとまだまだ興味深い記述が続きます。

「繊細さんとスーパーテイスター」
刺激に対して感度が極端に高いひとをHSP(Highly Sensitive Person) といい、カウンセラーの武田友紀さんはこれに「繊細さん」という卓抜な日本語をあてた。
武田さんによると、ひとによって「繊細」の対象は異なり、視覚(スーパーに入るとモノやラベルがいちどに目に飛び込んできて目が回る)、聴覚(ベッドに入ってもお風呂の換気扇の音が気になる)、触覚(苦手なひととすれ違うと電流が走ったように身体がピリッとする)、嗅覚(満員電車の臭いがダメ)、味覚(添加物の多い食べ物は舌がピリピリする)などの「個性」があるという。
過度の敏感性は日常生活を困難にするかもしれないが、逆に職業上のアドバンテージになることもある。聴覚が敏感なひと(絶対音感)は音楽家や音響技師として、味覚が敏感なひと(絶対味覚)はシェフや料理評論家として活躍している。

上記は、書かれていることのほんの一部です。

「意志力は筋力と同じように消耗する」
「物思いにふけっていたときになぜひらめくのか」
「アスリートとアーティストは似ている」

など、興味深い項目が100以上。
心理学者の妹尾武治さんの解説も、刺激的で読みごたえがありました。

迷うことがあって途中で止まっていた短編を、本腰を入れて書き始めました。
東京の姪が年末に帰省するまでに、書きあげたいと思います。



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