悲しい気持ち ＃104

最近、少し髪の毛が伸びたので

いっちょ前に、ワックスを付けている。

ワックスを選ぶときは、毛束感だったり

ウエット感だったり

整髪力だったりする。

しかし、一番大切にしているのは

香だ！


だから、売り場でテスターの蓋を開けては

くんくん　と香を調べて

慎重に好みのものをみつけている。

頭からする香は、結構　ずっと自分が感じるので

いい香りをつけていると

一日　しあわせな気分になれるのだ。


この間、いろいろ試して　気に入ったワックスを数個レジに持って行った。

お会計を済ませると、店の人が

「試供品です」と言ってワックスを袋に入れてくれた。

私が、ワックスばっかり買ったから

入れてくれたのだろう。


数日後、朝のメイクを終えて

そういえば、もらったワックスがあったっけ！

今日は、それを使ってみよう

と思ったのだ。


試供品のヤツは、１回使い切りのシャンプーとか入浴剤のと同じように

ボトルじゃなくて、小さな袋に入っていた。

袋の上をハサミで切って

にゅりーっと手に出して

伸ばすとき、ちょっと予感は、あったものの

貧乏根性が発揮されて、捨てるのはもったいないから

頭に乗せた。


と、

その瞬間、一番苦手な　オッサンのポマードみたいな独特の香りが充満した。

以後、ずっとずっと悲しい気持ちに陥った。


あぁ　もったいないと思わないで

すぐに洗い流せば良かった・・・


香りで、こんなにも悲しい気持ちになるなんて。