アルゼンチン取材ノート Cultura Cero

ブエノスアイレスを中心に最新の舞台、公演、展示会などを取材、画像と共に速報を御紹介します。

フォルクローレ専門 FM Folklorica 98.7mhz Radio Nacional

2006年09月27日 10時57分13秒 | Weblog
フォルクローレ専門のラジオ局 FM Folklorica 98.7mhz 周波数はソレほど強いものではないので、ブエノスアイレスのみでの受信ですが、実に深いフォルクローレ番組が放送されています。局長はコスキンの歴史を伝えたフォルクローレにおける最高の記者 Marcelro Simon氏。同じくコスキンの司会者として名を馳せる Miguel Angel Gutieres氏が毎日、番組を担当するなど非常に聞き応えのある番組を放送している国営放送の局のひとつ。

2度ほど電話で取材してくださった国営放送の番組を訪ねました。

FM Folklorica 98,7 mhz El Clasico
アナウンサー Jorge Puerta 氏。

多くのインタビューを電話を通じて次々とこなしていく、テンポのある情報番組として多くの方が聞いていらっしゃる。実は取材された直後、レティーロのバスターミナルで声をかけられました。「チャランゴひく人でしょう?」 番組を聴いたという、しかもトゥクマン出身の視聴者と出会いました。こういった反響に出会った時、本当に心から有難さを実感します。誰かに届かなければ独り言でしかない.. 表現者は多くの方の力で届けられる流れを絶対無視できません。かといって「お願い作戦」で誇りを失うわけにもいかないのですが.. 商業メディアの発達した今、溢れる作品の中で奇跡的に群を抜いて届けられるもの。力があれば必ず広がりをみせるはず.. とはいえ、それは多くの伝達者との共同作業であることを決して忘れてはならない。

ブエノス滞在の際は是非チャンネルを合わせてみてください。アルゼンチンはタンゴで有名ですが実は本当の意味でのアルゼンチン音楽はフォルクローレ。アルゼンチン全土の様々な歴史と息吹を堪能することができます。

El Clasico 月ー金 am7:00-9:00
El Clasico del Sabado 土 am9:00-12:00
FM Folklorica 98.7 mhz にて

国営放送ホームページ Radio Nacional

ワールドカップレポート from ブエノスアイレス

2006年07月10日 16時01分07秒 | Weblog
名古屋タイムスにお届けした原稿(オリジナル) 「正直なところワールドカップは結果が進むにつれて大きくときめいている。多分、のめりこんでいるわけではないけれど。ドイツとの試合が決まってからが大きな機転だった。歴史的な闘いだからアルゼンチンに是非かってほしいと思う。昨日は幼稚園の子供達と沢山アルゼンチンの応援歌を歌って大いにもりあがっていた。アルゼンチンにはサッカーの伝統がある。ワールドカップは勝つことの喜びを皆で一緒にわかちあえる。アルゼンチンの旗でみな同じ色にそまる。裕福な人も貧しい人も、コミュニティーや国、宗教、健康.. など多くの違いを超えてこれほど一体になれるのはワールドカップだけ」 幼稚園の先生も務め、独自の音楽を煮詰め注目を集める女性、繊細な眼差しを持つアーティスト、フロレンシア・ルイズが語ってくれました。メキシコに勝利してから次のドイツ戦までの大きな波動を感じながら意気揚々とした日々。口を開けばワールドカップの話で誰とでも盛り上がる。そんな日々が今となっては、まるでまぼろしのように静かなブエノスアイレス。今はサッカーの話題を口にする人は皆無です。 経済大国と同じ土俵に立ち、勝ることができる..日頃抱いている劣等感を克服できる4年に1度の機会、ワールドカップに込める南米庶民の夢は、貧富の差の激しさや移民社会という複雑な構造も伴って非常に大きな意味を持ちます。先日のフランス戦で久しぶりに街角で歓声を聞きました。同じ南米諸国のブラジルに対してのライバル意識からか、ブラジル敗退を喜んでいたようです。それは同じく歴史的に怨念を持つイギリスに対しても(フォークランド紛争)同じ反応を見ることができます。 敗退してから3日後、勇気を出しておそるおそる親しい記者にワールドカップのことを質問すると「もう終わったこと! 僕等は既に2010年アフリカでのワールドカップを夢見ているよ!」と大きな声。即、話は切り替わりました。ワールドカップが終了するまで、この複雑な重たい雰囲気は続きそうです。 (追伸) (勝った日)ーメキシコ戦試合が終わって即、市内中央にそびえるオベリスクへ向かいました。街中クラクションを軽快なリズムで鳴らし、車の窓から身体をのりだし旗をふりながら進む車。応援歌を歌いながらオベリスクに向かう歩く人々、街角の雑誌、新聞を扱うキオスクの販売員もアルゼンチン色の帽子をかぶり行きかう人に声をかけ盛り上がっていました。これほど歓喜に満ち溢れる人々の様子を目の当たりにすると自然に感動で涙があふれてきます。喜びの塔、オベリスクに到着。既に1万人前後の人々が集っており旗をふり飛び上がっていました。誰もかれもが同じ喜びを共にできるというのは素晴らしいこと..と人々の笑顔にみとれるばかりでした。 (負けた日)-ドイツ戦試合観戦取材を試みたのはBellagambaという庶民の食堂カフェ。庶民に人気のあるセルフサービスでトラディショナルな食事が安価でとれる場所。時折、食事の配給などを行う庶民の味方としてしられる店です。ワールドカップが始まってから店に大きなスクリーンが設置されたため、試合当日は100人以上の人々が集結していました。大画面を前に人々は競技場さながらの応援を行っていました。1点目のゴールの瞬間、今日はいけると思い込みましたが終了間際、次のドイツのゴールで様子が1変。延長戦の末、PK戦へ。アルゼンチンのシュートが2人おさえられ敗戦が決定。人々は呆然、店内は静まり返りました。誰も席を立つことなく涙を浮かべ画面をただ黙ってみつめている姿をみて、とてもでないですがカメラを構えることはできませんでした。そのため構えずに感でシャッターを1枚だけ切りました。少しずつ立ち上がり無言で帰宅する人々、大きな声で悔しさを表現しはじめる人々、店の外に出ると驚くほど静かでした。金曜日は夕方からブエノスアイレスは娯楽、文化の街として非常に活動的な動きをみせるのですが、この日は水をうったように静かでマルデ街中が喪に服しているかのような状態でした。とにかく「信じられない」といったような..人々の深い哀しみを目の当たりにしました。店内100人の落胆を体感して私自身も何も手につかない状態に陥りました。インターネットに接続すると大概なんにんかとチャットができるのですが、この日は誰も繋がりませんでした。完全に時がとまったような状態でした。 (メディアの論調)終わった瞬間はトニカク監督批判ばかりでした。なぜチームの柱、リケルメを変えたのか。入れるべき選手を入れなかったのか、キーパーの不甲斐なさ etc テレビに映る記者たちの憤りばかりが目についていましたが、今はモッパラ新しい監督の選出に向けての話題に集中しています。ペケルマン監督は辞任しましたが、引き続き続投という声もあります。他、マラドーナ、元ボカ監督カルロス・ビアンチなどが候補としてささやかれています。ワールドカップの特別番組は引き続きおこなわれていますが、ドイツ戦後ヤルキをなくし何となく流しているかのような記者達の変化が見ていてアマリニ明らかで最後まで報道を続けなければいけない彼等を少し気の毒に思ったりもしました。 佐野まり

Florencia Ruiz フロレンシア・ルイズ

2006年07月07日 20時42分47秒 | Weblog
注目のシンガーソングライター、フロレンシア・ルイズ。彼女の音楽は徐々に世界に広がりつつあります。既に日本でも発売されメキシコ、チリにも届いている。訥々と、ささやくように、時に心の叫びを大きく押し出すように、彼女の歌声を聞くとイツモ切なくなるほど純粋なものを感じる。そして気がつくと心が洗われている。 昨年から彼女と交流を重ねるたびに、その真っ直ぐな佇まいに心打たれる今日この頃です。出会った当初は少しキツメに感じた対応も不器用さと嘘のない..とにかく真っ直ぐ、真っ直ぐ.. Correr (和訳・走る)という彼女の歌、そのもの。真っ直ぐに黙々と走る、走る、走る... 要領よく起用に世の中を渡るがよしという現代社会に、貴重な作品を生み続ける女性。何より心打たれるのは彼女がメンバーを一人一人、心を込めて紹介する場面。ハーモニーというのはこういったメンバーのことをいうのでしょう。


Key / Jose Aguilar
Gr / Ignacio Margiotta
Bass / Ignacio Tkachuk
Drums / Miguel Pagliarulo
Vo & Gr / Florencia Ruiz

Florencia Ruiz

眠りの森の美女 Liliana Belfiore

2006年06月28日 21時10分54秒 | Weblog
バレエの黄金の演目「眠りの森の美女」、オリジナルなスペイン語のミュージカルを制作、自身のバレエ学校の生徒達と共に演じているアルゼンチン・バレエ界の大御所リリアーナ・ベルフィオーレ。素晴らしいダンサーとしてかの有名なヌレジェフとも共演、世界を駆け巡った女性です。50代の今なお現役で活躍。輝きは全く失せることはありません。舞台を愛してやまない彼女が演ずる悪役の妖精は必見。現在、子供達のために上演中。連日スクールバスで劇場に駆けつけ多くの子供達が絶叫しています。終了してからは子供達ひとりひとりに挨拶して送り出す..多くの夢を与え続ける偉大な巨匠がアルゼンチンには数多く存在します。

LUIS BULGARO (Recoleta美術館)

2006年06月12日 17時48分55秒 | 文化情報
こんなに生き生きとした..まるで生きているかのような作品を見たのは初めてです。生きている以上に生きている..もりもりと元気な塊を見つめていると力が漲ってくるようでした。作者 Luis Bulgaro はAutodidacta と履歴にあります。つまり美術大学や学校で学んだのではなく、あくまで自己流。とことんオリジナルな力強さ。

必見です!

5月30日ー6月25日 レコレタ美術館 Sala J にて

フォルクローレとコンテンポラリーダンス (ROJA文化センター)

2006年06月12日 15時45分47秒 | ダンス
フォルクローレのエッセンスを取り入れたコンテンポラリーダンスの公演が6月9日(金)より始まりました。毎週2回金、土曜日の21時、2ヶ月間に渡って上演されるとのこと。ROJA文化センターは前衛なものを中心に紹介することでよく知られていますが、毎回訪れるたびに新鮮な驚きに遭遇します。主催者の選抜が厳しく、それは滅多に外れることはありません。毎月しっかりした冊子が発行されるだけでなく、ラジオ番組など広報の面でもカナリしっかりしている文化センターです。

演目1 Manantiales (源)
北部のトラディショナルなものをフンダンに取り入れ、客席から登場して歌い踊りながら舞台へ..御馴染みの楽器を持って輪になって踊るシクーリの場面者から、演奏者が配置につき4人の出演者あの中から一人、ソロでのダンスを披露。最後、彼はマイクを手に歌い上げ演目が終了しました。

演目2 CHAMAME チャマメ
コリエンテス地方のトラディショナルなダンスと音楽、チャマメを生演奏と共に4人の女性ダンサーが共演、途中楽器を持って演奏家が立ち上がり、ダンサーが絡み合う場面やセリフを取り入れた工夫をこらした演出がされていました。

この2演目の合間、舞台の変換に音楽家がソロで演奏して繋いでいました。
ただ..フォルクローレフェスティバル、特にタンディル・フォルクローレダンスフェスティバルで自由演技のジャンルがあり、本来のフォルクローレダンスを新しく進化させる部門を見た後では、学芸会のように見えてしまいました。実際、訪れていたダンス専門の有名な記者は、この2幕を見て帰っていってしまった..正直、立ち上がりかけたのですが..この後に実は本番が.. こんなに心を動かされたダンスを見たのは久しぶりです。

演目3 Como marcas en el alma 
「フォルクローレのマジックは共有して分ちあうこと」私達の大地に育まれた音楽と感性で、物語と友情をわかちあうことができる.. 二人の男性ダンサー Gustavo Bravo と Nico Berrueta による 踊りと照明だけで表現されたストイックな世界。何よりダンス技術が非常に高く、ぐいぐいと舞台に引き込まれていきます。二人はコンテンポラリーダンスの総本山サンマルティン劇場のダンス学科出身とのこと。さすがの見ごたえでした。観客は総立ち、「この演目だけで十分」文化センターの係りに感動を告げながら観客が詰め寄っている場面に遭遇しました。2演目がいまひとつだったため、余計きわだってしまっていました。この最後の演目は見逃せません。「世界に届けたい!」心から思える公演でした。日本の皆さんに是非とも見て欲しいところです.. フォルクローレの美しさ、そして漲る勢いと憂い、全てが見事に表現されていました。他と比較してシミジミ思ったのは、本当の意味で観客を前に舞台で踊るということは半端なことではない..彼等の肉体に浮かび上がる筋肉や血管の筋..まさに踊りに生きている厳しさを体感しました。それは音楽も同じ。記者を退場に導いてしまった2演目は、そんな漲るプロの迫力に欠けていました。形になればいい..というものではない、ロハ文化センターの舞台はソンナ甘さを弾き出すかのような集中した佇まいがあります。今後2演目が育っていくのか..最終日の公演を再度見てみたいと思いました。


(今後の公演)
6月16,17,23,24日 21時より $7 Sala Batato Barea
programacion Danza en Rojas


アルゼンチン快勝!

2006年06月11日 15時58分35秒 | 速報
いよいよアルゼンチン登場! 試合直前こちらのテレビ局がゴールキーパーロベルト・アボンダンシエリの地元を取材、家族を中心に応援会場に集う人々を中継で繋ぎながら御両親インタビューを行っていました。年老いたお父様が本当に息子を誇りにしていることがヒシヒシと伝わってきて息子が写ると涙を浮かべています。本当に孝行息子とはこのこと。同時に代表選手に選ばれることがドレダケ凄いことか..23人に入る厳しい道程と幸運、代表が一段と輝いて見えてきます。コートジアポールのスピードはカナリものもでしたが、2-1でアルゼンチン快勝。試合時間中は人通りは少なく、息を呑んで試合を見守っているせいか静まり返っていました。が、ゴールの瞬間はバタバタと机を叩く音 etc 響き渡る物音と叫び.. なにはともあれ初戦突破です。次回は来週金曜日10時から。みんなの願いが飛び立ちました。

街中、国旗が溢れています

2006年06月09日 08時27分04秒 | 速報
カフェにはスクリーン等が設置され明日から始まるワールドカップを目前に控え、多くの場所がワクワクとしています。大家さんがケーブルテレビのアンテナを入念にチェックしていました。5月25日、建国記念日に飾られた多くの旗はそのまま。まるでワールドカップの前祝いだったかのように..元気に舞い続けている国旗が眩しい。前回が惨敗だっただけに皆さんの願いは高まっている模様です。

ワールドカップ直前 アルゼンチンの空

2006年06月08日 22時41分12秒 | 速報
ブエノスアイレスの最新情報、状況を随時アップしていきます