老後になっても性生活は楽しめる? オーガズムが得られるのは、ひょっとして若者だけ? 性欲は年と共に衰えるけれど、定年=性生活の終わりじゃないし、健康的な性生活を楽しんでいる高齢者は意外と多い。
そこで今回は、性欲が減退(場合によっては増進!)する理由、あなたとパートナーの性欲レベルがマッチしなくなったときの対処法、生涯にわたる性生活の楽しみ方をセクシュアルヘルスの専門家、アナンド・パテル博士が教えてくれた。
性欲は年と共に変化する?
定年が待ちきれないという人も、これだけは覚えておいて。性欲は年と共に変動するもの。この変動には多数の要素が関係していて、年を追うごとに性欲が低下するのは珍しいことじゃない。
まず、男性の場合はテストステロンが40代から徐々に減少。「これで性生活が終わるわけではありませんが、テストステロンは男性の性欲の燃料です。このテストステロンが減少すれば、性欲の低下を感じることもあるでしょう」とパテル博士。
一方の女性ホルモンも年と共に減少する。「閉経後はとくにエストロゲンとプロゲステロンが減少し、卵巣で作られるテストステロンも少なくなります」とパテル博士。「その結果、性欲が下がることは十分に考えられます」
でも、性欲の増減に関係するのは男性/女性ホルモンのレベルだけじゃない。「糖尿病や心臓病などの疾患過程、ストレス、過去の性体験、家庭生活の状況、あなたがまだパートナーに魅力を感じているか、老後になってもセックスをする気でいるかも、性欲に関係します」
とはいえ、60代や70代で満足のいくセックスを定期的に楽しむことは十分可能。高齢期のセックスにありがちな7つの問題と対処法を理解して、定年後もアクティブな性生活を維持しよう。
1.パートナーの性欲が低下している
あなたには“その気”があるのに体がセックスに興味を示してくれないときは、次の方法で問題を克服し、2人の絆を維持しよう。
「2人のうちの片方がセックスに乗り気じゃない/もう片方ほど乗り気じゃないときは、その理由を考えてみてください」とパテル博士。「子どもが巣立ち、20年ぶりにパートナーと2人きりになったからかもしれませんし、お互いの見た目が変わったからかもしれません。性行為に対する興味を失った可能性もありますね」
でも、性的な不一致を乗り越えて、親密な関係をキープすることは可能。「2人の関係が良好なら、お互いの体や好き嫌いを学び直すだけで問題が解決するかもしれません」とパテル博士。「女性の場合は、エストロゲンの減少に伴って体を触られたときの感覚が変わり、以前は気持ちよかったことが気持ちよくなくなる可能性もあります。若い頃とは状況が違うことを受け入れて、パートナーや自分自身を責めないようにしてください。なによりも大切なのは正直に話し合えること。自分のHな想像を打ち明けたっていいんですよ!」
ポイント:アクティブな性生活を取り戻す一番の方法は、2人の時間や共通の趣味を思い切り楽しむこと。それまでは絶対希望を捨てないで。
2.パートナーがすぐに萎えてしまう
パートナーの勃起能力が下がっても、あなたが悪く思う必要は一切ない。これは、あなたに対する気持ち云々というよりも年のせい。
「年を取ると昔ほど視覚による刺激を受けにくくなるので、若い頃より性器を刺激してあげないと勃起しなかったり、勃起が長く続かなかったりことがあります」とパテル博士。「高齢者にはよくあることですし、これでパートナーの魅力が決まるわけではありません。あなたの手助けでなんとかなるときもありますが、勃起するかしないかは血流次第。その血流を増やすには、性的な興奮と強い心臓が必要です」
勃起しない状態が長期にわたって続くときは、パートナーに検査を勧めて。「勃起不全には、不安やうつといった心理学的な要素が絡んでいることもあります。薬の服用、喫煙、アルコールも性機能にマイナスの影響を与えます」
「勃起不全治療薬のシルデナフィルは広く知られていますが、陰茎圧縮装置(ペニスリング)と陰茎吸引装置の人気も高まってきています。ただし、使うのは性機能専門の医師に相談してから。ペニスリングの使用は1回30分以内。また、アスピリンやワルファリンのような抗凝結剤を服用している人は、ペニスリングを使うべきではありません」
3.あなたの膣が乾燥している
昔ほど膣が濡れなくなった女性にとって激しいセックスは大きな苦痛。でも、パートナーに対する興味を失ったわけじゃないのなら、その事実を素直に伝え、潤滑ゼリーに投資しよう。
「閉経後でも天然の潤滑液は作られますが、濡れるまでの時間が長くなりますし、性的に大興奮しなければ十分な量が作られません。膣が乾いているときは前戯に時間をかけて、高品質の潤滑液で膣内を潤しましょう」とパテル医師。
「骨盤底筋の衰弱に伴う尿漏れがあるときは、投薬や手術が必要になるケースもあるので医師に相談してください。ケーゲル体操をするのもいいですが、尿漏れが気がかりでセックスから身を遠ざける女性は少なくありません」
4.Hな雰囲気にならない
長い間一緒にいすぎて、いまさらHな雰囲気にならないというときは、いまの自分の中にある新たな欲望を見つめてみると、消えかけた火が再び大きくなるかもしれない。
「お互いの体を学び直してみましょう」とパテル医師。「昔といまでは性感帯が変わっていませんか? いまのパートナーは、どのように触れられたい、吸われたい、突かれたいと思っているでしょうか?」
あなた自身が心の奥で、いままでとは違う体位や関係性を求めていることもある。お互いの望みをオープンに話し合えば、パートナーの新たな魅力が見えてくるかも。
ポイント:高齢期に入ると“ウォームアップ”に時間がかかる。思わせぶりな話し方をしてみたり、その日の夜にしてみたいことを書いたHなメッセージを送ったりして、パートナーの欲望をかき立てよう。
5.自分の体に自信がなくなった
出産を経験し、体重が増えて顔がたるむと、自分の体に自信が持てなくなって、結果的に性欲が低下することもある。2人のうちのどちらかがかつての自信を失っているときは、次の方法で問題を解決し、性欲の低下に歯止めをかけよう。
パテル医師によると、体に自信を付けたいときは話し合うことが大切。自尊心と性欲の向上には、以下の方法も役立つそう。
・あなたの言葉と態度でパートナーに「自分は魅力的なんだ」と思わせる。
・愛撫、キス、エッチな会話をする。
・いろいろなことを一緒にして、親密な距離感とボディタッチに再び自分を慣れさせる。
・着る側も見る側もムラムラするようなセクシーなランジェリーに投資する。
・エクササイズを一緒にして、気分と性欲を同時に高める。
・セックス以外で10秒以上パートナーに触ったりキスをしたりしたときのことを思い出す。
・感覚集中法を試してみる。感覚集中法は、性的なエクササイズを用いてパートナーの体を知り尽くし、性器に対する刺激以外の方法でパートナーを興奮させるテクニック。
6.マスタベーションに慣れすぎている
充実していた性生活に陰りが生じたからといってマスタベーションばかりしていると、パートナーとのセックスが楽しめなくなってしまう。
「マスタベーションは自分の体を楽しむうえで有効な手段です。だからこそパートナーと一緒にしない手はありません」パテル医師。「セックスより頻繁にマスタベーションをしている男性は、膣、オーラル、アナルセックスで勃起を維持するのが大変かもしれません。自分の手で強く握ったときとは感覚が違いますから」
パテル博士によると、マスタベーションやアダルト動画は「人とセックスがしたい!」という自然な欲求を上書きしてしまうので控えるべき。「女性の場合は、クリトリスや膣の入り口にバイブレーターを当てるだけで十分になってしまうかもしれません」
7.新しいパートナーと先に進めない
最近出会ったステキな人と性行為をしてみたい、あるいは付き合ってみたいと思っているなら、年齢を理由に遠慮しないで。安全を考慮すれば、高齢期に入ってからも新しいパートナーと健全な性生活を楽しむことは十分可能。
「性器疣贅(いぼ)やクラミジアで病院を訪れる50歳以上の女性が増えているので、コンドームを着用し、性感染症に注意しましょう」とパテル医師。
これを機に、“気持ちよいセックスの定義”を見直してみるのもいい。「手短なセックスもいいですが、親密な雰囲気の中で、愛情を注ぎ注がれながらするキスや前戯、挿入からは大きな見返りが得られるでしょう。ペニスを膣に入れることだけがセックスではありません。オーガズムを得る方法は、それ以外にもたくさんあります」
「最初の数回は気持ちよくないかもしれませんが、これは高齢期に限ったことではありません。恥ずかしがらず、オープンに話し合って性生活を楽しみましょう」
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