まりねこの足あと

映画、美術展の感想を書こうと始めたものの、いつの間にかアニメ感想&グッズ中心となったブログ。

ラスト、コーション 色・戒

2008-02-14 20:17:05 | 映画
時代背景に興味を持ち、軽ーい気持ちで見に行きましたが、
まさか、これ程までの名作だとは思いませんでした。
見終わった後は呆然として、翌日も映画の世界からなかなか抜けられませんでしたもの。

1943年の上海で、親日政権の重要人物、イーを暗殺すべく、
抗日組織のスパイとして近づくヒロイン。
しかし、単なる「使命」に過ぎなかった愛が、いつしか本当の愛になって行き・・・
お話の展開はある程度読めるものの、ラストに至る過程の一つ一つが、
風景や衣装、音楽も含めて、何と素晴らしいことか

ヒロインの心の移り変わりが、丁寧に描かれていますね。
サークルの軽いノリで「マイ夫人」を演じた学生時代は子供っぽかったのに、
イーとの逢瀬を重ねるうち、日頃の振る舞いも大人の女性になっていき、どきどき。
いよいよ計画を実行する時期が来て、宝石店へ向かう道すがら、
何度も周囲を気にする素振りに、心の揺れが良く表れていると思いました。

巷で話題になっている激しいベッドシーンですが、綺麗に撮れていますね。
ある程度人生経験を重ねた大人であれば、冷静に見られると思います。
むしろ、そんな体位、絶対無理!!と、ツッコミを入れたくなるかも。
このベッドシーンが強烈でなければ、ヒロインが宝石店で発した
「逃げて」という言葉に、全く重みがなかったことでしょう。
私は実はスパイなの、でも貴方のことを本当に心から愛しているわ・・・という心情が、
この短い言葉全てに凝縮されていて、ずっと心に残っています。

それにしても、イーの逃げ足の早いことと言ったら!
あっという間にお店の周囲も封鎖され、仲間は一網打尽に捕まってしまいます・・・

原作は50頁くらいの短編なので、すぐ読破出来ます。
原作者のアイリーン・チャンって、ホント絶世の美女


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