コピーして 遺書を配るも 親心 口惜しかれと 偲ぶ者々
初めて自死の方の葬儀を担当したときの出来事。
自死だからと言って葬儀自体は変わらない。御遺族は身内だけでということで葬儀に臨んだ。
御子息を亡くした両親の衝撃は大きく、こちらが伝えた花の注文の時間も忘れていらっしゃったり遺影写真の候補を決められなかったりとその都度一緒に一つずつ確認した。
そして何とか迎えた通夜。
そこで交わされたやり取り。
「通夜後集まった皆に説明したいので、これをコピーしてもらいたいのですが」
「はい、ではお預かりします」
御両親から手渡されたA4の用紙が数枚。書き記されている内容にまでは目をやらなかった。そこまで立ち入ってしまうのが恐ろしい気がしていた。
初めて手にした。遺書。
今はもう柩の中に横たわっている方が最期にしたためた便り。
非礼になるだろうが、一抹に感じる気味の悪さ。
死を覚悟した方が残しておきたかった思いが、ここにある。そう思うと何やら言い知れぬものがその遺書には宿っている気がしてきてならなかった。
事務所に戻り聞いた部数をコピーする。ホッチキスで留めてあった遺書をほどき、超コピーが終わるとそれぞれをまた一部ずつにして留めた。
通夜の読経が終わり、導師退席の後に喪主挨拶がある。喪主様は用意していた遺書を親戚に配り、読み上げながらその考えに至ったであろう故人の生い立ちをあれこれと語っていた。
親戚への説明責任というようなことを後に聞いた。急なことであまりないことなので一通り説明しておかないとと思われたそうだ。
さもあらん。そして故人の思いも伝えたいという思いもどこかにあったのではなかろうかと勘繰ってみたが、いかがなものだろうか。
しかし、遺書を残すということはそれを知ってほしいという思いが発露だろう。御両親のなさったことは故人の意にかなっていたように思いたい。聞き入る親戚も皆手にした遺書を一心に見つめていた。
いきなり遺書を渡された私はびっくりしたけど…
またずいぶんと期間を置いてしまいました。
今まで更新していない間にいろいろありました。
まず私、昨年11月に葬儀屋を辞めました。
理由としては結婚が一番にきますが、葬儀屋としての仕事がきつくなってきていたのも要因です。
尊い仕事でしたが、心身ともに疲弊が大きく離れることにしました。
離れてみると懐かしく、時に戻りたくなるようなときもあります。
歩む道によってはまた戻るかもしれませんが、今は元葬儀屋になります。
まだ歌や句は書ききれてないものが残っています。これからも少しずつアップしていきます。
それらが尽きた時、このブログも閉鎖するかもしれません。
創作(こういうのはおこがましい気がしますが・・・)意欲はあるので葬儀から離れた形で存続させるかもしれません。おいおい考えていきます。
ひとまず、ご覧になっていらっしゃる皆様にお知らせをと思いましたので、これまでとこれからをしたためました。
柩横 眠る碧子 安らかに いらぬ心配 親心かな
柩の横にソファーを置いている。そんな控室の風景。
そのソファーで3歳くらいの女の子がすやすやと気持ちよさそうに寝ていた。
集まっていた親族の方々もあたたかい目でその子を見守っていた。
「ほんと気持ちよさそうに、安らかに寝てるわぁ」
そんなセリフも自然と口に出る穏やかな場面。
そこに一言。
「安らか過ぎておばあちゃんと行ってしまったらどうしようか」
・・・
「起こす?」
お母さんとしてはそうなりますよね。
そんな柩横の親心。
役僧よ おまえは寝るなと 喝入れたい
葬儀の場面で目に入る。船を漕ぐ人の頭。
司会者は後ろから式場を見渡すので気付いてしまう。
あぁ、気持ち良くなられたんだな。と
確かに薄暗い式場の中で、一定のリズムのお経や木魚。
心地よく眠りの世界に誘われるのもわからなくはない。その気持ちはよ~くわかる。
でも遺族には少ないかな。さすがに当事者なので。
一般会葬者でコックリしている人はたまに見かける。
焼香のときになって隣の人にそっと肩を叩かれる。
お疲れですね。
会葬者ならまだいい。
けれどこれが役僧なら・・・
役僧のご紹介。
導師(メインのお坊さん)を補助するお坊さんのこと。
最近は一人のお坊さんで葬儀をすることも多いが、二人三人でお勤めされることもある。
地域によっては一人が稀なところもあるのではないだろうか。
実際に補助をしていることもあれば、まだ若いお坊さんが修行のためにご一緒されているということもある。
今回は後者のように見えた。
まだ若いお坊さんが三人ご一緒されていた。
ずっと一緒に読経をするわけではなかったので、導師だけが読経しているときそれは起こった。
右端の人船漕いでる・・・・
え~。
きっと私だけじゃない。あの式場にいた多くの人が思ったはずだ。
あなたはだめでしょう・・・
カーツ!!!
生きてます 生存報告 フロム葬儀屋
ごめんなさい。ずいぶんご無沙汰してしまいました。
まだ葬儀屋さんしています。
これからも少しずつ詠んでいきます。







