まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『ジェニィ』猫には猫の哲学がある!

2009-01-09 00:58:31 | アメリカの作家
JENNIE 
1950年 ポール・ギャリコ

主役は2匹の猫ちゃんです。
これが  愛あり、冒険あり、人情ありの素晴らしい物語なんですよ。

ポール・ギャリコの作品は『ポセイドン・アドベンチャー』が映画化されていますが
『ジェニィ』も映画化してほしい~っ。
本物の猫ちゃんでやると動物虐待になっちゃうかもしれないから
(けっこうハードなシーンが多いと思いますよ)
CGとかコマネコちゃんみたいな人形ではどうでしょう?

8歳のピーター・ブラウンはいきなり白い猫になってしまいます。

こういう “ 朝起きたら虫になってました ” 的な話しは苦手なんですけど
猫だから・・・と思い読み進むと、もう止まらない。

献身的にピーター猫を世話し導いてくれる、高貴な血統の雌猫ジェニィと
助け合って生きるうち、ピーター猫はたくましく成長します。

途中から、この本は猫が書いたんじゃなかろうか? と戸惑うほどでした。
だって、ジェニィが教える猫としての作法や掟は
どれをとってももっともなことばかりなんですもの。

大ネズミと小ネズミの捕まえ方の違い、ミルクを飲む時の舌使い、
毛繕いのタイミング、道の歩き方、いかにして船乗り猫になるか
犬種別犬のあしらい方、他の猫の縄張りでのご挨拶などなど
まるで本当に猫が語っているように道理にかなっています。

確かに、ピーターが初めてネズミを食べるところなんか
「オエ~」って思っちゃうのですが、生きるためですからね。

船乗り猫となってグラスゴウまで行く途中船から落ちて溺れたり、野犬に襲われたり
高い塔からハシゴ車で助けられたりという危機を一緒に乗り越えた2匹はまるで恋人同士

あぁ、それなのに・・・
妖婦タイプのシャム猫ルルウに惑わされてしまうピーター。
男って人間も猫も同じなのかしらん?

結局ジェニィこそが大切なパートナーだと気がついたピーターですが
彼女には野蛮猫デンプシィの魔の手がせまっていました。
ピーターは果敢に決闘を挑みます。
さて、その結末は?

やっぱ、そうなっちゃう? というラストはいささか残念でしたが
仕方がないのかもしれません。

とびきりのファンタジーを堪能できた1冊でした。

ジェニィ 新潮社


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 余談です
ポール・ギャリコの『猫語の教科書』というのも持ってるのですが未読です。
「猫が好きなんだね」と思っていたら、24匹も飼ってたんですって!
猫カフェみたい・・・うらやましいです。
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『モントリオル』めくるめく愛のあとさき

2009-01-07 23:59:31 | フランスの作家
MONT-ORIOL 
1887年 ギィ・ド・モーパッサン

やはり愛はひとときの幻想なのね、 って言いたくなってしまふ物語

アンヴィルの温泉地に訪れたクリスチャーヌという若い人妻が主人公なんですが
彼女は父と兄に勧められるまま裕福な男性アンデルマットと結婚して
安閑な生活を送っていたわけです。

そこに現れたのが兄ゴントランの友人ポール・プレチニでした。
この男がまた、愛と美と芸術の賛美者で
激情的で刹那的な愛をさんざん繰り返してきた人なわけ!

夫アンデルマットが、仕事と実務的なことばかりしか話さず、妻を顧みないで
新しい温泉地の起業に躍起になっているという、おあつらえ向きの状況の中
側で熱く愛を語られていくうちに、クリスチャーヌはとうとうポールに
身をまかせてしまうわけですね。
二人の愛は深まっていくのですが、アンヴィルを去る日がやってきます。
一緒に逃げようと言うポールに、パリでの逢瀬を約束して去っていくクリスチャーヌ。

ここで第一部が終了です。
さてさて、二人の愛はどうなるんでしょう?

状況が一変するのは1年後、第二部です。

夫アンデルマットが、裕福な農夫オリオル老人から買収した温泉地モントリオルにやって来た
クリスチャーヌは、子供を身ごもっています。
父親はポールです・・・(夫は知りませんよ、もちろん)

この後、ものすごくはしょると、純粋で美的な愛を追い求めるポールは
すでに子を宿したクリスチャーヌは対象外になりつつあったわけで
彼女がすがればすがるほど嫌悪感が募っていくわけです。

そして、財産目当てで姉ルイーズにはしったゴントランに捨てられて
うちひしがれる妹シャルロット・オリオルを慰めるうちに突然愛を感じ
しまいには求婚しちゃうのです。

ロマンティックな男はやっかいなんだってば!
熱烈に愛してくれて、とろけるような思いができそうだけれども
ちょっとした幻滅や、自分の美的感覚からはずれたらササーと引いちゃいそうじゃない?

ゴントランのようにミエミエな人と結婚するルイーズの不幸は予測がつくとして
シャルロットがこの先幸福になるかどうかは分かりませんね。
だってポールにまた好きな人ができたら、ガガガーっていっちゃうかもしれないもの。

さしあたり主人公クリスチャーヌは、無事に娘も生まれて
我が子と信じて可愛がるアンデルマットを見ているうちに
ひと皮剥けて強い女性になったようでございます。

ほだされてしまう女が悪いのか? 
それとも、こういう熱い相手との恋こそが浮気の醍醐味なのか?
クセにならなければよいのだが・・・
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スコットランド王ダンカン2世妃 エセルリーダ

2009-01-03 00:03:48 | スコットランド王妃・王女
わたくし、見切り発車でスコットランド王家に手をつけたわけですが
王妃についての記録があまりにもなくて弱ってしまいました
芸術の立ち遅れからか、女性蔑視からなのか分かりませんが
肖像画もめっきり見当たらない始末・・・困り果てました。

ただ、相関図は複雑で面白いので、気を取りなして
かけあしで紹介してみようと思います。

同盟の証
ダンカン2世妃 エセルリーダ・オブ・ノーサンブリア


在位 1094

エセルリーダの父ノーサンブリア伯ゴズパトリックは、
一説にはマルカム2世の娘ベソックの夫だったクリナンの孫だといわれています。
あまり後ろ盾を持たずに王になったダンカン2世は同盟者を探しており
ノーサンブリア伯から、その証としてエセルリーダを娶っています。

    

生まれは不明、王より長生きをしていますが、いつ没したかも不明です。



義理の姪でもある妻
アレグザンダー1世妃 シビル・オブ・ノルマンディー


1092~1122/在位 1107~1122

美しかったといわれていますが、肖像画とかないんですよねぇ・・・
その噂はどこから?
アレグザンダー1世の妹マティルダを妻にしているイングランド王ヘンリー1世と
愛妾シビルとの間に生まれた娘で、15歳ぐらいで結婚したようです。
したがってアレグザンダー1世は、ヘンリー1世の義理の兄でありながら
義理の息子にもなりました。 ややこしいですね・・・

      



かなり領土を持っていたらしい
デイヴィッド1世妃 マティルダ・オブ・ハンティングダン


1074~1130/在位 1124~1130

マティルダはイングランド王ウィリアム1世の姪ジュディスの娘です。

       

この当時スコットランドはイングランドとの争いを繰り返しながらも
盛んに婚姻関係を結んでいます。
これは懐柔策なんでしょうか? それとも言いなりになっていたのでしょうか?

マティルダは16歳で最初の夫サイモン・ドゥ・リスと結婚しますが35歳で死別し
46歳で6歳年下のデイヴィッド1世と再婚しました。

彼女は父親からハンティングダン伯領とノーサンプタン伯領を譲り受けていて
かなりの領土持ちだったようです。

(参考文献 森譲氏『スコットランド王室史話』 Wikipedia英語版)
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あけましたね、2009年

2009-01-01 00:16:43 | もろもろ
あけましておめでとうございます。
今年は完全な家正月です。

だからしっかり大掃除するつもりだったのですが
ズルズルと12月が過ぎてしまい・・・
最後の週末からの追い込みで、なんとか見えるところだけは
間に合いました。 ふぅぅ

普段からキレイにしとけ!ってことですね

写真はミニチュアのお正月セットです。
毎年部屋を作ろうと思いながら果たせずにいる次第です・・・

        
       大きさが分からないんじゃない? というご指摘があったので
       鏡餅と並べてみました。
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