まりっぺのお気楽読書

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神聖ローマ皇帝ハインリヒ5世妃 マティルダ

2010-12-22 00:41:05 | ドイツ系王妃
初代イングランド女王を名乗った皇后
ハインイヒ5世妃 マティルダ


1102~1167/在位 1114~1125

マティルダはイングランド王ヘンリー1世とマティルダ・オブ・スコットランドの王女で
王子がいなかった父王の後継者になるためにブロワ家のスティーヴンと争った女傑です。
ちなみにスティーヴン王妃マティルダ・オブ・ブローニュもかなりの女傑でした。

初代イングランド女王としている文献もあるみたいですが
ここでは森譲先生の参考文献どおり対立女王としておきます。

        
マティルダは8歳の時にハインリヒ5世と婚約し、ローマ王妃として戴冠され
ドイツに渡って皇后になるための教育を受けました。
4年の準備期間を経て、皇帝に即位していたハインリヒと結婚しました。

政治向きの女性だったようで、ハインリヒのローマ訪問に同行し
ハインリヒの不在中は摂政も務めています。

ハインリヒ5世はローマ教皇との争いを一時終結させた皇帝ですが
叙任権闘争は教皇側の勝利終わり、皇帝権は失墜します。

1125年、マティルダとの間に嫡子を残さないままハインリヒ5世が亡くなって
ザリエル朝は終わりを迎えました。
ドイツはシュタウフェン家とズップリンゲンブルク家の内乱に入ります。

で、23歳で未亡人になったマティルダは新王家に関係ないじゃない?
摂政をするわけにもいかずイングランドに戻ります。

イングランドでは王太子ウィリアムがホワイトシップ号の事故で亡くなり
父王ヘンリー1世は甥のスティーヴンを後継者に指名した後でした。
ヘンリー1世はマティルダが帰国したことで彼女を後継者に…と考えましたが
1135年、決着がつく前に亡くなりました。

その時マティルダは再婚したアンジュー伯ジョアフリーとアンジューにいて
素早く行動をおこしたスティーヴンに先を越されます。
その後の継承戦争は一進一退でした。
結局、スティーヴンの後はマティルダの息子ヘンリーに王位を継承するということで
継承戦争は終結しました。

なんでもマティルダは、幼い頃から皇后として生きていただけあって
尊大で気取ってて、イングランドでは不人気だったそうです。
一度は女王の宣言もしているのですが
ロンドン市の城門を閉められて入場できなかったりしたそうですよ。
凱旋行進をしようと思ったら閉め出される…ちょいと恥ずかしいっすね

1154年、息子ヘンリー2世がイングランド王に即位します。
21歳の若い王を差しおいて、実際はマティルダの方が目立っていました。

マティルダはイングランドの表舞台から引退するとルーアンで余生を送ることにしますが
ヘンリー2世(ノルマンディ公でもあります)が不在の際には
ノルマンディ公領の政治を統括し宮廷を守っていました。
やはり政治からは身を引けなかったようですね。

ヘンリー2世の他に息子が二人いましたが、次男ジョアフリーは兄王に反逆の末死亡、
お気に入りの三男ウィリアムは1164年に亡くなりました。
三男の死がかなりショックだったみたいです。

1167年ノートルダムで亡くなりベック修道院に葬られましたが
1847年にルーアン大聖堂に移されました。

碑文には「ここにヘンリー(1世)の娘であり、ヘンリー(ハインリヒ5世)の妻であり
ヘンリー(2世)の母であるマティルダが眠る」と記されているそうです。
確かに! 父、夫、息子の名前がおんなじね

わがままな王女様のお話しなどは童話や物語でよく目にしますけど
そうやって育てられてきたのだから仕方ない…という見方もできますよね。
好きにはなれないけど、自分がそうだったらもっとわがままだったかもしれない。
贅沢はしたいけど、親の決めた相手と結婚できるかよ! というジレンマもあります。

王女と庶民、果たして女性としてどちらが幸せなんでしょね?

(参考文献 森護氏『英国王室史話』 菊池良生氏『神聖ローマ帝国』
      Wikipedia英語版)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (復縁方法@ゆい)
2010-12-22 00:56:32
こんばんは。
知らないことが書かれていて
とても参考になりました!
またお邪魔します^^
こんばんわ (まりっぺ)
2010-12-23 22:55:06
コメントありがとうございます

これからも王妃様や王女様のことを書いていこうと思ってますので宜しくお願いします

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