まりっぺのお気楽読書

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『ドゥミ・モンデーヌ』のぞいてみたい世界かも

2008-07-20 00:20:30 | 日本の作家
DEMI-MONDAINE 
山田 勝

“ドゥミ・モンド”とは今で言う高級娼婦か高級コールガールってところでしょうか?
それにしても、この本を読むと『プリティ・ウーマン』なんてみみっちいよ。

この本では、19世紀フランスの帝政時代のドゥミ・モンドの中でも
とりわけ有名な7人が紹介されています。

有名人をバックに政界を牛耳ったエステル・ギモン
敵であるプロイセンに身を売ったラ・ヴァイパ
貯蓄に励んだアリス・オジー
『椿姫』のモデルとなったマリー・デュプレシス
贅沢を享受し尽くしたイギリス人、コーラ・パール
『ナナ』のモデルとなったブランシュ・ダンティニー
そして、『ドゥミ・モンドの心得』を記した、“最高に高くつく女”レオニード・ルブラン

同時に、世相や、イギリスとフランスの社交界の比較、
裏社交界の役割取りなどをおりまぜながら紹介します。
もう、スケールが違い過ぎ

実際、政治家・作家・作曲家なんかは結構彼女らに取り入っていて
彼女らは莫大な資金をバックに、彼ら芸術家やジャーナリストを保護していました。
作家はけっこう彼女たちからインスピレーションを得ていたかも。
アレクサンドル・デュマやテオフィール・ゴーティエなんか常連
「不倫は文化だ」って言った人いましたけど、あながち間違いじゃないような気がします。

この時代、フランスには他にも有名な娼婦はたくさんいたわけで
(例えばローラ・モンテスとか)身を破滅に追い込んだ男が何人いても足りませんな

モームの『サミング・アップ』によれば、当時フランスでは
女のために破滅した男は英雄視される傾向があったようで
だからこそ彼女たちの商売は成り立ったわけですね。
なにしろゴージャス!!
下手な貴族なんかよりすごい贅沢な暮らしをしていた彼女たち。

(色あせた)写真を見ると決して美人じゃないんだけどなにか秘策があったんでしょうね。
知的でユーモアに富んでるとか、いろいろね

彼女たちの末路はいろいろあって、落ちぶれた人、若くして死んだ人
寂しく人待ち顔で余生を送る人、いろいろいたわけです。
有名どころはマリー・デュプレシス。
“天使のような娼婦”という、永遠の称号を手に入れた薄幸の女性ですね。

でも私に言わせりゃ、アリス・オジーみたいのはいやだな。
たんまり溜め込んで、悠々自適な老後を送るなんて。
パーッと使って落ちぶれて欲しかったわ。
だって、夢みたいな毎日を送ってるんですもの。夢は儚いものなんだってば。
そうじゃなきゃ、夢の後で自殺した男の人が浮かばれないと思いません?

THE 女! の生き様をのぞいてみましょう!
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね


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