まりっぺのお気楽読書

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イングランド王ジェイムズ2世王女 ルイーザ・マリア

2011-03-07 01:11:47 | イングランド王妃・王女
ジャコバイト貴族のアイドル
ジェイムズ2世王女 ルイーザ・マリア・テレサ・ステュアート


1692~1712

生真面目なチャールズ1世の長男チャールズ2世には、庶子はた~くさんいたのだけれども
王妃キャサリン・オブ・ブラガンザとの間に肝心の嫡子がいなくて
弟のジェイムズ2世が後継者になりました。

ジェイムズとひとり目の妃アン・ハイドの王女メアリーアンは女王になりましたが
残念ながら彼女たちの子供は王位を継ぐまでに成長しませんでした。

アン・ハイドが亡くなった後、ジェイムズ2世はメアリー・オブ・モデナと再婚しました。

ルイーザはふたりの間に生まれた四番目の女の子です。(三人は死産かすぐ死亡)

         

ルイーザ・マリアはジェイムズ2世が廃位され、追放された後の1692年に
サン=ジェルマン=アン=レーで生まれました。

ルイーザの兄ジェイムズ・フランシスが1688年に生まれた時には
お腹にクッションを入れているだの、女の子を男の子に取り替えただのと
疑いをかけられた母メアリーでしたが、ルイーザは問題視されなかったみたいですね。

(カトリックの)ジェイムズ2世はたいそう嬉しかったらしく
娘のメアリー2世ばかりか、他のプロテスタントの人たちにも
洗礼式の立会人になってもらおうと招待の手紙を送りまくったらしいです。
早く宗教の垣根を取り払っておけば追放されることもなかったのにね…

ルイーザは兄ジェイムズとフランスで育てられました。
家庭教師はカトリックの神父で、ラテン語や歴史、信仰について教わりました。

とても愛想が良い子だったようで、ジェイムズとともに逃亡したジャコバイト貴族たちの
アイドルみたいなものでした。

1701年、父ジェイムズ2世が重病に罹り、母メアリーと療養に旅立ちました。
でもジェイムズとメアリーの誕生日がある6月には帰ってきて一家でお祝いします。
ジェイムズ2世はその後発作をおこし、2ヶ月後に亡くなりました。

ジェイムズ2世が亡くなると、フランス王ルイ14世は即座に王子ジェイムズを
イングランド王として宣誓しました。
もちろん政治的思惑はあったと思うけど、ルイ14世ったら確実に
未亡人になったメアリー・オブ・モデナを狙ってたと思うね! 美人だし。
恩を売る作戦だと思うんだがどうでしょう?

ルイーザは13歳の時、ルイ14世のゲストとしてマルリー宮殿の舞踏会に招かれています。
兄ジェイムズが一緒なのはいいとして、ちゃっかり母メアリーも並んでました。
3人はルイ14世に続いて入場しています。 すごい待遇…やっぱり狙ってたんじゃないかと

フランス宮廷の人気者になったルイーザは、ルイ14世の孫ベリー公シャルルや
スウェーデン王カール12世と「お似合いね」と言われていたのですが
いくら兄が王を名乗っていてもイングランドには歴然と他の王が君臨していたわけで
王族の妃になるにはけっこう曖昧なポジションでした。
カール12世はプロテスタントだったこともネックになっていました。

ジェイムズ2世も僭称王ジェイムズも、ルイ14世の助けを借りてイングランドを攻めましたが
ことごとく失敗に終わってまして、もう王家に返り咲くのは厳しい状況でした。

ルイーザは追放されているジャコバイト貴族が「自分たち家族のために犠牲になっている」と
心を痛めていて、彼らの娘たちの教育費を立て替えました。

1712年、ルイーザは兄ジェイムズとともに天然痘に罹りました。
ジェイムズは回復しましたがルイーザは帰らぬ人となってしまいました。

ルイーザはフランス宮廷のみならず、追い出したイングランドでも人気者でした。
彼女の死にはたくさんの人々が哀悼の意を表しています。

               
                可愛いのでもう1枚のせちゃうね

可愛いし、性格もいいし、優しいし、本当に非のうちどころがないお嬢さんで
父王が廃位されなければ引く手数多だったでしょう。
というより、カトリックとプロテスタントが仲良くやっていれば
違う人生を生きた王女たちはいっぱいいたはずです。
同じような宗教なのに、なんで戦争するほどもめてたのかしらね?(無知ゆえのひとり言)

(参考文献 森護氏『英国王室史話』 Wikipedia英語版)

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