まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『誰もいないホテルで』 “ おーい! もどってこーい!!”

2016-09-06 07:47:20 | その他の国の作家
SEERUCKEN
2011年 ペーター・シュタム

オビに “ イングマール・ベルイマン的な味わいもある ” って書かれてたんで
まったく名前を知らない作家なのですが、購入してみました。
わたしはベルイマンの『秋のソナタ』っていう映画が、なんだか好きなんです。
その上に書かれてた “ チューリヒのカミュもしくはカフカ ” という部分が
少し気にかかったんですけどね…

と、思っていたら、『スウィート・ドリームス(Sweet Dreams)』という話しは
以前、村上春樹さん訳の『恋しくて』の中で『甘い夢を』という邦題で紹介されてました。

10編おさめられていますが、どれも静かなせせらぎみたいな、気持ちよい読み心地でした。
特に印象に残ったお話しをいくつか。

『誰もいないホテルで(Sommergaste)』
静かに執筆しようと、同僚が教えてくれた山の中のホテルを訪れた。
そのホテルでは、従業員のアナという女性以外に誰もいないようだった。
電気もガスも使えず、食事はカンづめばかり… すぐにホテルを出ようと思ったが
なぜかそうできなかった。

ものすごく人気があって、その後廃れてしまった観光地なんかに行くと
営業してなくて、うち捨てられた感がハンパじゃないホテルとかペンションがありますよね?
まだそんなに古くなってない物件もあったりして「これ、どうすんだろ?」なんて
思ったりしますが、こんなふうに活用する人もいるかもね。 幽霊が出なきゃいいけど…

『氷の月(Eismond)』
守衛のビーファーとサンドスが年末に退職し、守衛室は閉められた。
ビーファーは退職前、カナダに土地を買ってあり、そこでB&Bを開業すると言っていた。
しかし、ビーファーの妻の死亡広告が出た後、彼は再び守衛室に通ってくるようになった。
ビーファーは誰とも口をきかず、ただ守衛室の窓ガラスの向こうに座っているだけだった。

これを読んでいる間、ビーファーと、村上春樹さんの『遠い太鼓』に出てくる
ミコノスのレジデンスの管理人ヴァンゲリスさんがカブっちゃってカブっちゃって…
たぶん、見た目とかパーソナリティーは(人種からして違うし)全然違うはずなんだけど。
彼が語る退職後の話しは、夢がいっぱいでいいなぁ、なんて思ってたのになぁ…

『スーツケース(Der Koffer)』
ヘルマンは、妻ロスマリーのために、リストにのっている物をスーツケースにつめた。
しかし病院に行くと、ロスマリーは集中治療室で裸同然で寝かされていて
看護士から、今は何も必要ないと言われてしまう。
スーツケースを抱えて病院を出たヘルマンは、最初に来た列車に乗り、終着駅で降りた。

この夫婦が若くないのはわかるけど、いくつぐらいなんだろ?
家事を妻にまかせっきりの、すべての夫に読んでほしい…
急に妻が運ばれて行ってしまった後の、夫のオロオロぶりが目に浮かんで哀しいわ。
どうか希望を捨てずに早く立ち直ってほしい… 旦那さんがしっかりしないと!

で、シンプルで静かで落ち着いてて、読み心地はよかったんですけど
ほとんどの物語のラストで、主人公が心ここにあらず状態で終わってる感じでして
仲良くおしゃべりしてた相手に、急にプイッとされて、ポカーンとしてしまう感覚に
似ている読後感でした。

急に走り出してどこかに消えちゃいそうで「もどってこーい!」と言いたくなったさ。
でも追いかけようとは思わないけどね。
みんなちゃんと帰って来て、普段の生活に戻っていればよいが…

さすが!新潮クレスト!とうなずける一冊
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ひとことK-POPコーナー
SHINeeのソウルコンは、今回もインスタやTwitterで垣間みてましたが、オニュの足が心配よぉ〜
救急車に乗ったっていうからものすごく心配でしたが、今月末のカムバックまでには治るということなので
とりあえずひと安心です
無理しないでちゃんと治してくださいね


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