まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『モーム短篇選』吸い寄せられて・・・

2009-07-25 00:45:26 | イギリス・アイルランドの作家

ウィリアム・サマセット・モーム

どうなの? また買っちまいましたよ。
書店の店先で平積みになっていたところへフラフラと吸い寄せられてしまいました。
ほとんどは既読でしたがそれでも読んでしまう好きな作家の短篇集。
マンスフィールドとモームの短篇集と『ダブリン市民』は手放せんです

初めて読んだものからお気に入りをいくつか…

『ジェーン(Jane)/1931年』
若々しいミセス・タワーは、野暮で老け込んだ義理の妹ジェーンが
27歳も年下のギルバートと再婚すると聞いて驚愕し、きっと長持ちしないと予言しました。
2年後、ジェーンは別人のようになり社交界の人気者になっていましたが
やはりギルバートとは離婚することになりました。 その理由は…

ミセス・タワーの気持ちは分かる気がする… 私も友達が若~い人と結婚すると知ったら
口には出さなくても同じように考えちゃうかもしれないねぇ…「まじ?」と…
愛は気持ちや心で通じあうことが大事だと信じてますけどね、一応。

『サナトリウム(Sanatorium)/1947年』
マクラウドとキャンベルはいがみあいながら17年も入院しているサナトリウムの古株。
ある晩トランプでキャンベルに快勝したマクラウドが急死したことで
余命があまりないと思われているテンプルトンが一大決心をします。
初めて本気で愛したアイヴィにプロポーズをするというのです。

モーム自身サナトリウムに入院していたので様々な悲喜こもごもを見たのでしょうね。
余命を知った時どう行動するか? どう余生を生きるか? はどう生きてきたかに
おおいに関わるものかもしれないですね。
淡々と書かれていますが、なかなか考えさせられる物語でした。

『大佐の奥方(The Colonel's Lady)/1947年』
ペリグリン大佐は妻のイーヴァが詩集を出版したと聞いても気に留めませんでしたが
詩集は巷で絶賛され、しかも皆が自分の噂をしているような気がします。
詩集を読んでみると中年の主婦と若い男性の愛の物語でした。
大佐はイーヴァが自分の体験を書いたものだと直感しました。

しかしこんな形で妻の不実を知った夫も困りますね? どう対処すればいいのやら…
書かずにはいられないほど迸る情熱を抱えられるというのは羨ましい人生です。
私はその情熱が家系図にいっちゃっているのだろうか?… さびすぃ

未読のものはどうやら後期の作品が多かったみたいです。
でも若い頃から様々な人生劇場を描きだしてきたモームですから
年齢的な隔たりはそんなに感じられませんでした… あいかわらずちょっと意地悪
いずれにしても後期の短篇集を探さなきゃ。
コメント
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