TOO MANY HUSBANDS
1919年 ウィリアム・サマセット・モーム
見るからに羨ましい題名です
でもどういう意味? と思いつつ読み始めてみました。
若く美しいヴィクトリアは3年前に戦争で夫ウィリアムを失い
その友人だった陸軍省勤務のフレデリックに請われて再婚しました。
ワガママが過ぎるヴィクトリアでしたが美しいもんだから崇拝者は他にもいて
裕福なペイトンが通って来てはなにかと面倒を見てくれています。
ところが戦死したとばかり思っていたウィリアムがひょっこり帰っています。
フレデリックとウィリアムの間でヴィクトリアの奪い合いが始まるかと思いきや
なぜかふたりは激しく彼女を譲り合います。
ヴィクトリアはそんなふたりを尻目にペイトンの新車でドライブに出かけ
帰って来た時には彼との再婚を決めていました。
そこで3人は一刻も早く離婚する方法を話し合います。
モーム大好きな私でも戯曲は初挑戦でした。
小説ではユーモアと悲哀がほどよく融和してしっとりとした後味を残すモーム作品ですが
この作品では喜劇作家の一面がクローズアップされているようです。
例えばヴィクトリアですが、物欲主義の権家で自己中心甚だしい女性なんですけど
それを分からせるために、これでもか!というほど身勝手なことを喋らせます。
それから親バカの典型シャトルワース夫人、成金を絵に描いたようなペイトン
観客の同情と嘲笑を買うためだけに存在するふたりの夫など
ものすごく解り易い人物像を作り上げています。
モームが書く人物像に心憎さを覚える私はちょっと違和感を感じましたが
たぶん各々の役に命を吹き込んでいくのは役者の領分なのでしょう。
喜劇は悲劇に比べて風刺が多いので時代を敏感に繁栄していると承知しています。
こんなこをというのはとても野暮だと思いますが、この時代笑いごとではなく
戦死したと思った人が生きていたということはあったと思うんですよね。
題材にした物語もけっこうあるし、何より当事者がすごく大変な目に遭ったと思うんですよ。
とくに再婚しちゃってた女性がね。
当時この劇を観て心おきなく笑える人たちは幸せな人だったかもしれないですね。
1919年 ウィリアム・サマセット・モーム
見るからに羨ましい題名です
でもどういう意味? と思いつつ読み始めてみました。
若く美しいヴィクトリアは3年前に戦争で夫ウィリアムを失い
その友人だった陸軍省勤務のフレデリックに請われて再婚しました。
ワガママが過ぎるヴィクトリアでしたが美しいもんだから崇拝者は他にもいて
裕福なペイトンが通って来てはなにかと面倒を見てくれています。
ところが戦死したとばかり思っていたウィリアムがひょっこり帰っています。
フレデリックとウィリアムの間でヴィクトリアの奪い合いが始まるかと思いきや
なぜかふたりは激しく彼女を譲り合います。
ヴィクトリアはそんなふたりを尻目にペイトンの新車でドライブに出かけ
帰って来た時には彼との再婚を決めていました。
そこで3人は一刻も早く離婚する方法を話し合います。
モーム大好きな私でも戯曲は初挑戦でした。
小説ではユーモアと悲哀がほどよく融和してしっとりとした後味を残すモーム作品ですが
この作品では喜劇作家の一面がクローズアップされているようです。
例えばヴィクトリアですが、物欲主義の権家で自己中心甚だしい女性なんですけど
それを分からせるために、これでもか!というほど身勝手なことを喋らせます。
それから親バカの典型シャトルワース夫人、成金を絵に描いたようなペイトン
観客の同情と嘲笑を買うためだけに存在するふたりの夫など
ものすごく解り易い人物像を作り上げています。
モームが書く人物像に心憎さを覚える私はちょっと違和感を感じましたが
たぶん各々の役に命を吹き込んでいくのは役者の領分なのでしょう。
喜劇は悲劇に比べて風刺が多いので時代を敏感に繁栄していると承知しています。
こんなこをというのはとても野暮だと思いますが、この時代笑いごとではなく
戦死したと思った人が生きていたということはあったと思うんですよね。
題材にした物語もけっこうあるし、何より当事者がすごく大変な目に遭ったと思うんですよ。
とくに再婚しちゃってた女性がね。
当時この劇を観て心おきなく笑える人たちは幸せな人だったかもしれないですね。