memory of caprice

浮世離れしたTOKYO女子の浮世の覚書。
気まぐれ更新。

岡倉天心の風呂敷

2014-07-27 11:20:12 | GOODS
2014年7月23日
「気になる一品」より。

茨城県天心記念五浦美術館

日本画や岡倉天心の遺愛品を展示する。
ミュ―ジアムショップでは天心が米ボストン美術館勤務時代に愛用したとされる約90センチ四方の風呂敷を再現し、販売中だ。(1540円)
基調はベージュで、青、緑、白、黒、灰色の様々な太さのストライプ模様。
「天心の粋なセンスが感じられる」と長山貞之企画普及課長は話す。天心は米国でも和装を貫いた。日本文化へのこだわりが感じられる一品だ。

茨城県北茨城市大津町椿2083 TEL0293・46・5311
前9時~後5時(入館は30分前まで)月(祝の場合は翌日)休み。

こちらにTELにて問い合わせたところ、電話注文で郵送可能とのこと。
送料600円を添えて、現金書留で送るべし。
早速申し込みました。


ファストファッション考

2014-07-27 10:54:58 | BOOK
もう、書評だけで内容もわかるような・・・。
そしてもう、共感するしかない内容。肝に銘じたい。

2014年7月20日書評欄より。

「ファストファッション クローゼットの中の憂鬱」エリザベス・L・クライン著
鈴木素子訳 春秋社 2376円
Elizabeth L. Cline 米国の作家・編集者。雑誌「ニューヨーク」などに執筆。

 今や私たちの日常生活を覆い尽くしている、「ファスト」な消費文化。規模の拡大と、時間やコストの削減とを至上命令として、その伸展は留まることを知らない。とりわけ目を引くのは、H&MやForever21、ZARAなど世界規模で展開する格安ファッションチェーン(ファストファッション)だ。これは「問題の多い現代の消費文化の縮図」と著者は述べる。
 ファストファッションが普及し、衣料品の単価が安くなるのに反比例し、購入点数は増加の一途を辿っている。アメリカでは、過去20年間で国民1人が年間に購入する衣料品の点数は倍になった。それにともない、繊維ごみの量も約10年間で4割増加したと言う。日本も他人事ではない。
 近年ファストファッションの生産拠点は中国やバングラデシュなどに移されているが、繊維産業に用いられる殺虫剤や合繊染料などの有害物質は、現地の大気や水質を汚染している。下請け工場は厳しい納期やコスト削減を強いられ、労働環境は劣悪だ。近年ダッカの衣料品工場が崩落事故や火災を起こし、多くの死傷者を出して問題視された。メ―カ―、アパレル企業、そして消費者の間に横たわる物理的・文化的な隔たりこそが、これらの悲劇の遠因であると著者は指摘する。
 先進諸国の消費者たちは、消費の社会的意義に気付きつつある。リサイクルや手作りなどスローファッションや、現地工場の労働者の待遇まで気を配るエシカル(倫理的)消費への関心の高まりは、この証左であろう。本書の魅力は消費者目線から懺悔に満ちた買い物遍歴が忌憚なく語られる点にもある。著者はかつてファストファッション中毒患者だった。安価な服の魅力に抗うことは大変に難しい。自宅は洋服であふれ、日常的に身につけるのは、そのうちたった4%程度。おかしい?
 そう思ったら見直してみるべきだ。評者も・・・頑張る。

評者は水無田気流氏(詩人・社会学者)
  



和食の楽しみ 外国人目線で。

2014-07-27 10:39:34 | BOOK
2014年7月20日の書評より。

著者に会いたい、というコラムにて。
マシュー・アムスター・バートンさん(38)つるりとした頭頂に口アゴ髭メガネ。
「米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす」の著者である。

勘で、ふらっと、普通の店で

米・シアトル在住のフードライターの著者が、妻と幼い娘と共に東京でひと夏過ごしたころを中心につづった食紀行エッセーだ。
 本になった経緯がユニーク。もともと米国で出版しようとしたがうまくいかなかったため、ネットで多くの人から少額の資金を集める仕組みを利用し、電子書籍として自費出版した。それを目に止めた東京の編集者が「面白い」と、日本で出版化を進めた。現在3刷一万六千部と快調だ。「思いがけず日本で多くの方に読んでもらえて嬉しいです」
 著者と娘は日本食好きで、「いつか東京に行きたい」と一緒に貯金していた。そして2010年に娘(当時6歳)と2人で、12年には娘と妻とやってきた。
 情報通のグルメっぽい態度とは無縁。知人のつてで中野に小さなアパートを借り、勘で、ふらっとごく普通の店に入り、食事を楽しんだ。暑い日に食べた冷やし中華や青唐すだちしょうゆうどんのさわやかさ、アナゴ天ぷら注文時に最後に出てくる骨を娘が気に入ったこと、焼き鳥のぽんじりの脂ののりに感動したこと、たこ焼きの素晴らしさ・・・。
 「チェーン店でも何でも、娘が日本で食べるものひとつひとつに感動する。そのことに感動しました」
 庶民的で美味しい店があちこちにある中野の魅力にもハマったそう。
 日本では英国人の著書『英国一家、日本を食べる』がベストセラーになっている。「米国では知らなかったので、最近読みました。面白かったです。あちらは日本全国、高級な店まで食べ歩いていますが、僕は普通の店ばかり。あわせて読むのもいいかもしれませんね(笑)」

関根光宏訳 エクスナレッジ 1836円   

片岡義男の新作

2014-07-27 09:40:56 | BOOK
2014年7月20日の書評欄に、片岡義男の本2冊の紹介が載っていた。
女子高生、大学生の頃、その頃、圧倒的に影響力のあった雑誌「JJ」に連載されていた小説が片岡義男によるもので、完璧な美貌の女性がシャワーを浴びた後フルーツオブザルームの3枚1パックの白Tシャツの新品に腕を通し、京紅の貝殻から指で唇を彩り、バイクで朝の海岸線を疾走するといったライフスタイルが都会的なタッチで描かれ、安西水丸の簡潔な挿絵がそんなムードを盛り上げていた。

流行作家なのだと思っていた彼の新作が今もまだ、ということに目を惹かれ、読んでみた。

早大教授、佐々木敦氏による書評を紹介させていただきます。

片岡義男の筆にかかると、東京はまるで外国の都市みたいに見えてくる。登場人物は皆、几帳面に姓と名を持たされており、女性の多くは下の名前がカタカナで、男達は作家か編集者か俳優、女性の職業のバリエーションは多彩だ。彼ら彼女らの人生の一場面、連続しているような、そうでもないような出来事たちが、字義通りの意味でハードボイルド的というべき筆致で、鮮やかに切り取られる。
『短編を七つ、書いた順』は「作家生活40周年書き下ろし」。「せっかくですもの」では、二十八歳で実家に戻った「宮崎恵理子」が二年後に就職が決まって再び家を出る準備をしていた或る日、最寄駅のドトールと駅の改札で二度、父親と出くわす。二度の偶然の間に彼女は友人の「倉本香織」とスペイン料理を食べ、2人で新居を見に行き、電車を乗り継いで還ってくる。題名はそのまま父と家には戻らずに寄った店で、バーテンダーが彼女に言う一言だ。「なぜ抱いてくれなかったの」は五十三歳で独身、作家の「三輪紀彦」が高校時代のクラスメイトの「中条美砂子」と再会する。卒業後2人は一度だけデートをした。彼女はその後、女剣劇の世界に入り、引退後の今は喫茶店を営んでいる。題名は彼女が彼に言う台詞である。彼が返答を思いついたところで、小説は終わる。
『ミッキーは谷中で六時三十分』の表題作は、二十八歳独身でフリーライターの「柴田耕平」が偶々入った喫茶店のマスターから、娘付きでこの店を切りまわさないかと持ちかけられる。その娘は「楠木ナオミ」といい、ビリヤードが上手い。ナオミは柴田をかつてはポルノ女優をしていた母親がやっている食堂に連れていく。以下、作者いわく「コメディの試み」の七編が収められている。2冊を足して14編、どの人物も実に「小説の登場人物」らしい。だがその”らしさ”は他の作家が書くそれとは全然違っている。

あの独特の感覚を想起させようと、それぞれの短編の設定を延々連ねて観たものの、やはり伝わっていないことに気付いて、これじゃない、と一言
(笑)
そう、あの独特の間や流れる雰囲気を再現するのは難しかろう。
ふと、時間があれば読んでみたいな、この新作、と思わせただけ成功している書評なのかも。

『短編を七つ』 幻戯書房 2052円
『ミッキー』 講談社 1836円 片岡義男 40年生まれ 作家