れきしどころ真理庵

江戸時代の江戸を中心に、医学史・蘭学史を調べています。日々の暮らしを歴史からみた写真日記。

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山崎洋子 『赤い崖の女』

2008-05-04 13:52:25 | 真理庵文庫・歴史&医学
実は山崎洋子さんを読むのは初めてでした。
ある方のお勧めで読み出したのですが、読んで面白かった!
歴史小説でありながら【待つ女】ではなく、どんどん道を切り開いて行く女が描かれていたから。

黒船来航の本牧。器量よしの希沙は腹違いの姉美代に疎まれていた。希沙と自分の許嫁卯之吉の中を邪推したのだった。その後卯之吉は本牧から姿を消す。美代は希沙が卯之吉にしむけたと思い込み、男どもを使って希沙を襲わせ、「赤い崖=マンダリン・ブラフ」にぶら下げさせた。希沙のことはすぐに周囲に知れ、父親は娘を横浜の岩亀楼という遊郭へラシャメン(外国人相手の女郎)として売った。
器量も頭もよい希沙はすぐに頭角を現し、外国人の屋敷へ現地妻として迎えられたのだが、いざ床入れとなると体調をを崩す。それが何度も続いて、とうとう歩くこことすらまま無くなり、下働きの部屋へ放り込まれた。そこで加世というあばただが気だてのいい少女と出会い、二人は親友になっていく。
二人一緒にケイトと言うイギリス女性の女中になるが、ケイトもまた自分の道を切り開こうと悪戦苦闘している女性だった。横浜で婦人服の仕立て屋をするのが彼女の夢だった。希沙は通訳と洋服作り、加世は女コックを目指しながらケイトの元で頑張っていたがそんなある日、横浜に大火事が起こった。希沙と加世は別れ別れになるが。。。

幕末の横浜を舞台にして、意欲的な若い女性たちの困難にもめげずに自分たちの夢を実現して行く姿を描いていて共感できます。
希沙の男性拒否が輪姦のトラウマだと言う事は、現代の私たちにはすぐに分かります。トラウマを乗り越え、自立して行こうとする希沙と加世。それをずっと憎んで邪魔をする美代。時代の流れに翻弄されながらも、最後混血児の施設を作って行くところは圧巻です。

時代小説の形をとりながら、実は現代女性の友情物語と感じました。
さわやかな読後感です。


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