気ままに

大船での気ままな生活日誌

子規の”病牀六尺” 6月17日の記事は?

2017-06-17 18:11:02 | Weblog

正岡子規の”病牀六尺”は、明治35年(1902)5月5日から死の二日前の9月17日まで127回 にわたり、新聞”日本”に連載された日記風の随筆である。さて、今日、6月17日には、どんなことが書かれているか覗いてみた。36番目の記事で、珍しく、ライバル関係にある武将とお相撲さんの比較をしている。面白いので、ぼくの6月17日のブログ記事にもしておこうと思う。

36)信玄と謙信とどつちが好きかと問ふと、謙信が好きぢやといふ人が十の八、九である。梅ヶ谷と常陸山とどつちが好きかと問ふと、常陸山が好きぢやといふ人が十の八、九である。その好き嫌ひについては、多少の原因がないではないが、多くはただ理窟もなしに、好きぢやといふに過ぎぬ。しかし一般の人は自重的の人よりも、快活的の人を好むといふことが、知らず知らず、その好悪の大原因をなして居るかも知れぬ。余は回向院の角力(すもう)も観たことがないので、贔屓(ひいき)角力などはないがどつちかといふと梅ヶ谷の方を贔屓に思ふて居る。さうして子供の時から謙信よりも信玄が好きなやうに思ふ。それはどういふ訳だか自分にも分らぬ (6月17日)

まず、信玄と謙信のどちらが好きかという話題。明治時代では、信玄より謙信が好きといふ人が十の八、九、というのにおどろいたが、子規は子供のときから信玄が好きだったようだ。ぼくも、信玄の方が馴染みがあり、どちらかというと信玄に軍配を上げる。

ぼくは、むしろ、そのあとのお相撲さん対決に興味をもった。常陸山は馴染みのあるお相撲さんで、ぼくのブログにも何度も登場している名横綱だ。子規が全盛期の常陸山と同時代であることを知り、うれしくなった。

常陸山は、1903年(明治36年)の5月場所で、梅ケ谷(二代目)と全勝対決し、これに勝利して横綱免許授与が決まった。そのとき、なんと常陸山は梅ヶ谷との同時昇進の願い出をしている。それが認められ、両力士そろって横綱免許を吉田司家から授与された。なお、吉田司家は、現在も熊本市内にあるが、40代横綱、東富士を最後に、その役割を終えている。

子規は1902年6月に、この文章を書いて、9月に亡くなっているから、両力士の横綱昇進を知らないことになる。一般の人は、常陸山贔屓が多かったようだが、子規は、梅ヶ谷の方。ぼくは、圧倒的に常陸山である。その理由はあとで述べる。

子規は、そのどちらにおいても、一般の人が好まない方に軍配を上げているのが面白い。一般の人は自重的の人よりも、快活的の人を好むといふことが、知らず知らず、その好悪の大原因をなして居るかも知れぬ、と述べているので、自身は自重的な人を好むのかもしれない。

さて、常陸山について、ちょっと触れておこう。”横綱ともなれば、相手のどんな立ち合いにも真正面から受け止めなければならない”と常に言っておられた。いつも、本ブログで白鵬をけなすときに、必ずこの言葉を引用した(笑)。大相撲を”国技”に押し上げ、その品格、力量から”角聖”とまで呼ばれた名力士だった。茨城県水戸市出身で、立派な常陸山像があるが、神奈川県内にも、史蹟がある。散歩の途中で見付けたものだが、平塚八幡宮の境内に常陸山の石碑があったし(最近の境内整備でなくなっている)、小田原の二宮報徳社の鳥居の横にも”奉献、横綱常陸山”の石碑がある。

この6月11日に茨城県出身の稀勢の里が、水戸の常陸山像の前で横綱土俵入りを行った。ぜひ、稀勢の里も、”新角聖”と呼ばれるような名横綱になってほしい。相撲の話題になると、つい稀勢の里で〆ようとしてしまう(汗)。

でも、やっぱり子規の相撲の句で〆ることにしよう(笑)。

りゝしさは四つに組んだる角力哉 (子規)

ジャンル:
ウェブログ
コメント (3)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 砂押川沿いの紫陽花 | トップ | 女子大の散歩道で デイゴ、... »
最近の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
子規と四つ相撲 (ろこ)
2017-06-18 00:14:07
こんにちは。
 子規の病状六尺からお相撲の好みを知ることができて、大変面白く、興味深く拝読いたしました。
 そして、最後の閉めの俳句。おおいに共感しました。
 私も国技の相撲は、はたいたり、飛んだり、突っ張ったりでなく、がっぷり四つに組んだ、力相撲にあると思います。
 もともとしこを踏んんで大地の神に豊作を願うのが相撲の発祥だと聞いたことがあります。
 いさぎよく、凛々しく、雄々しく、四つに組んだ相撲こそ、大相撲。
 面白く拝読させていただきました。
 ありがとうございます。
 
誤字訂正 (ろこ)
2017-06-18 00:18:37
誤字がありました。
 訂正させてください。
 病状→病牀六尺に訂正してお詫びします。
ろこさま (marbo)
2017-06-18 08:16:16
興味をもって読んでいただいたようで、うれしく思います。
子規は野球だけではなく、お相撲も結構、好きで多くの句をつくっていることを知りました。その中でも、この句が気に入りました。とくに横綱同志の対戦では、がっぷり四つに組んで、正々堂々と白黒をつけてほしいですね。

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事