気ままに

大船での気ままな生活日誌

百万本の薔薇

2007-11-02 07:43:36 | Weblog
ワイフが先日、熱海で開かれた大学のクラス会に出席してきました。おしゃべりワイフが、ボクにそのときの話しをいろいろしてくれましたが、大部分の話はいつものように、ボクの右の耳から左の耳に抜けていってしまいました(汗)。でも、ひとつだけ、面白かった話がありましたので、紹介しますね。

その同級生の女性の方は、大学を卒業後、ずっと大きな薬局の薬剤師さんとして勤めていましたが、50代に入ってから突然、独立して個人薬局を開業しようと思い立ちました。そして、薬屋さんに改造できそうな物件を探し歩きました。そして、ようやく商店街の一画に手頃な空き屋をみつけることができました。

さてどうゆう薬屋さんのお店にしようかと、いろいろ思案していたのですが、どうも、気になってしまうことが出てきてしまいました。そして、その気になることは、始めは小さな点のようなものだったのですが、日増しに大きくなってきて、しまいには、彼女の胸一杯に拡がってきてしまったのです。

それは、その空き屋の、とても素敵なワンルームのせいでした。とてもりっぱな、まだまだ使用可能なカラオケ装置、床にはきれいな絨毯とソファー、天井にはシャンデリアやミラーボールが燦然と輝いていたのです。実は、ここは以前、カラオケ屋さんだったのです。

彼女は、これらを処分するのが、とても惜しくなってきました。そして、とんでもない方向に考えが向かっていったのでした。そうだ、薬屋さんなんかしないで、このままの設備を利用してカラオケ屋さんを開業しようと。そして、はじめ、ご主人の反対もあったようですが、ご自分の意志を通して、とうとうカラオケ屋さんを始めたのでした。

ドラッグストアーの出現で個人薬局の経営が困難になりつつある現状も少しは頭にあったかもしれませんが、あっと驚く、見事な転身です。現在も、とても繁盛していて、ご近所の、とくにリタイアされた人達のサロンのようになっているようです。コーヒー、紅茶等のドリンクを提供する程度にして、利益は二の次ぎ、みなさんに楽しんでもらえればという考えだそうです。

今、カラオケ屋さんをやっています、という彼女の挨拶に、みんな、びっくりしたそうです。彼女は学生時代から、まじめ一方の性格で、おとなし系でしたから、カラオケと彼女がすぐに結びつかなかったようです。

彼女の人生の分かれ目に、ふと目の前に現われた素敵なカラオケのお部屋。きっと、お天道様が第二の人生はこちらにしなさいと示してくれている、と彼女は思ったのでしょうね。似たような経験はどなたもおもちだと思います。

懇親会で、私、この歌が一番好きなの、と言ってカラオケで歌われた、彼女の”百万本の薔薇”の歌声が、同級生たちの心に染みわたっていったのでした。♪百万本のバラの花を あなたにあなたにあなたにあげる♪



コメント
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