記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

無法松と博多情緒

2010年01月12日 23時52分36秒 | 福博まちの記憶
 ちょっと遡るが、年末の共創マーケティング研究会の忘年会で久々に観た映画
「素晴らしき哉、人生」が印象的で、DVDを購入してきた。以前、ぴあの映画本
で上位人気だったのでセルビデオで持っていたが、引っ越しを繰り返すうちに処
分してしまった。若い頃に観た時と違い、また劇場のスクリーンで観たことで、
まるで新しい映画を観ているような鮮烈な印象を受けたのだ。

 戦時中に制作されたこのアメリカ映画は、アメリカ文化の奥深さを表現してい
るのか、それとも失われたアメリカの良心なのか。ビジネスマンとしても、一人
の人間としても生き方の手本的映画だ。人生経験を積むほど、見返すほどに感じ
るものが必ずある普遍的名画である。それが今はワンコインの500円版でも発売中。

 博多手一本の会でご一緒の八田さん(元NHK記者)は映画「無法松の一生」で
知られる「富島松五郎伝」を書いた岩下俊作の息子さん。一昨年「霧のなかの赤
いランプ~無法松・俊作の一生」というお父さんの伝記本を発行されている。戦
前戦後の文学界を牽引した北九州の文学仲間である火野葦平、劉寒吉、矢野朗ら
と同い年だった岩下俊作さんの生き方が息子の視点で綴られ興味深い。

 スカパーで昭和33(1958)年制作の「無法松の一生」が放送されたので、録
画して繰り返し観ている。明治の人力夫・松五郎を主人公にした破天荒な生き様
は、舞台化や3度の映画化で語り継がれている。小倉祗園太鼓のシーンなどは、
何度みても感動的でカッコいい。

 ふと思ったが、博多情緒に彩りを与え続けている人力屋の神谷さんも小倉出身
だし、松五郎の「後輩」にあたる訳である。鍛えた身体と情にあふれた人柄は、
現代の無法松と言いたい。しかも高学歴!の神谷商店さん。

今日の写真は、えびす通りアーケード街と美夜古通りの間にある「ハミング横町」
にある和菓子屋さん「梅月堂」。ご主人曰く、ここ10年でこの商店街一帯も壊滅
状態とのこと。ココのやぶれ饅頭と成金饅頭は美味しい。

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