記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

福岡のロケーション活用法を探る。

2009年12月14日 14時08分31秒 | 福博まちの記憶
 ここ数年、定期購読している雑誌は1冊、「ロケーションジャパン」だけは
毎号欠かさず熟読、楽しみにしている。この雑誌、書店で探しても見つけるこ
とができず、ひょっとしてかなりマイナーなのかと心配するほど。しかし、中
身は映画やドラマのロケ地情報、全国の最新のまちづくりや景観を活かした活
動の情報が詰まっていて、とても勉強になる。私がずっとやりたい事をやって
いるのだ。
ロケーションジャパン

 近年活発な日本映画だが、ロケ地として必要な情報をいかに発信しているか
を福岡市と北九州市の例で比較すると、その差は誘致できた映画ロケの数や作
品の質に比例し、明らかに北九州市が勝ち!サイトを比較しただけでも、福岡
市はやる気なし?と思うほど。それは掲載している写真ひとつひとつに物語=
ドラマが見えるかどうか。福岡市の場合、キレイすぎる景観写真や、当たり前
の情報しか掲載されていなくて、そのバリエーションも少ない。
北九州フィルムコミッション
福岡フィルムコミッション

 ロケ地めぐりなど、観光資源として、まちづくりのきっかけとして活用する
事例も、福岡市の場合は市内に観光資源が少ない割には消極的。数年で人口の
3分の1が入れ替わる、支店経済都市としてのまちづくりの限界も見え隠れす
る。もっと商店街(商工会)や天神・博多駅の各まちづくり協議会、まちづく
りのNPOなどがもっと連携をとるべきだと思う。

 福岡に限らないが、衰退する商店街ウォッチングをこの十数年続けてきて感
じるのは、日本国民総サラリーマン化の影響による商店の後継者不足、それに
伴う高齢化と時代に応じた商売勉強の不足。そして一番問題なのが、大半の衰
退する商店街には未来ビジョンが無いことである。

 郊外への大型店舗進出に伴う商圏人口の流失はもちろんあるが、それも商店
街に魅力が無いから。そこに行く動機や目的があれば、全てが郊外店へ流れる
訳でもない。空き店舗だらけの商店街、活気の無さ、マイナス要素ばかりが目
立ち、商店主からは諦めの言葉。しかし、実はビジョンの無さが自分たちの首
を絞めている気がしてならない。

 空き店舗を埋めようとオーナーは募集するが、「この商店街には◯◯業種の
店が必要」という募集はほとんどなされていない。活気のある商店街に共通し
ているのは、商店街の組織がしっかりしていること。そして未来ビジョンがあ
ることだ。さらに加えるなら、若手が新規でチャレンジしやすい土壌があるか
どうか。チャレンジしたい若手は、私も含めてたくさんいるはず。

 博多に無くて、他の魅力的な散策観光地にあるのは、創作作家の工房や私設
ミュージアムなど。博多のまち歩きに不足しているのは、全てが「点」である
こと。点と点を結ぶ線の上に、それら商店や工房、小さなミュージアムが点在
すれば、鎌倉や京都などのような滞在型観光も可能となる。福岡市は京都市に
次いで寺社仏閣が多い都市、その事実すら地元民にも知られていない。

今日の写真は、お気に入りの美野島商店街の光景。ここも数年前には
国交省の「活力ある商店街」に選ばれ社会実験なども行われたが、その後は
衰退の一途。やめた商店の跡には、他地区と同じく飲食店が増殖中だ。
●夏の名物「アイスキャンデー」のかどや食堂、
 シャッターを押した瞬間に元気な男の子が前を全速で横切った。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「科学」と「学習」の休刊に... | トップ | 北九州・若松のまちを歩く。 »
最新の画像もっと見る

福博まちの記憶」カテゴリの最新記事