事務所、物販、飲食などいずれの業態に関わらず、内装をする場合、“標準仕上げ”というのがあって、つまり、壁、床、天井などの面について、基本的な仕上げがある事が少なくない。
まあ、必ずしもというわけでもないが、それなりのクラスの建物であれば、何もせずともそういった初期からある標準的な内装を最大限うまく活用し、見栄えよくするところは見栄え良くするぐらいで、コストを抑える方法もありである。
例えば、上の写真、天井を注視してもらいたい。
写真の左上部、正方形の格子で構成されている部分は、既に付随していた標準的なシステム天井。
これはプラスターボードに変更して、照明器具なり空調の吹き出し口はかっこよくデザインするのが“セオリー”と言えるかもしれないのだが、そもそもそういうふうに考えること自体が、設計者の“エゴ”であるとも言えなくはない。
人間の目には至近距離の物が最も先に入るとも言え、極論するとその向こうにある遠景は見もしない人さえ居る。
今回の場合、システム天井に目が届く手前に一段低い天井部分を作ることで、アイストップになり、さらに良いことに空間にメリハリを与える事にもなるのである。
そうする事で、システム天井のシステムをありがたく利用する事も出来、コストも抑えれるわけである。