ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

日めくり万葉集<11月>(その2)

2010年03月04日 | 日めくり万葉集
■平成22年3月4日■
NHKテレビ「日めくり万葉集」で取り上げられた 万葉歌を 「大阪弁」で訳します
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田道間守たぢまもり 垂仁天皇 命受けて 橘手にし 戻りしが
       すでに天皇  身罷りて 苗木御陵に お治め植える
 

かけまくも あやにかしこし 皇神祖すめろきの 神の大御代おほみよに 
田道間守たぢまもり 常世とこよに渡り 八矛やほこ持ち まゐ出来でこし時 
時じくの かくの実を かしこくも のこしたまへれ
 
天皇おおきみの ご先祖さんの その昔 田道間守たじまもりさん 常世とこよ行き ほこ捧げて 戻り来て
 香りえ実の 橘を 持って帰られ 残された》 
国もに ひ立ちさかえ 春されば ひこいつつ ほととぎす 鳴く五月さつきには 
初花はつはなを 枝に折りて 少女をとめらに つとにもりみ 白栲しろたへの 袖にも扱入こきれ 
かぐはしみ 置きて枯らしみ あゆる実は 玉にきつつ 手にきて 見れどもかず
 
《今は国中  植えられて 春になったら 枝伸ばし 五月の夏に 咲いた花
 枝を手折たおって 乙女ら贈り 袖入れ香り 楽しんで 大事しすぎて しおれさす
 落ちた花の実 糸通し 手に巻き持って で遊ぶ》 
秋づけば 時雨しぐれの雨降り あしひきの 山の木末こぬれは くれなゐに にほひ散れども 
橘の 成れるそのは ひたりに いや見がしく み雪降る 冬に至れば 
しも置けども その葉も枯れ  常磐ときはなす いやさかえに
 
《時雨の秋は 山の木々 黄葉こうようなって 散ってゆく けど橘の 成った実は
 つやと輝き 人目引く 霜置く冬が 来たとても その葉枯れんと 常緑みどりまま》 
しかれこそ 神の御代より よろしなへ この橘を 
時じくの かくと 名付けけらしも

《それやからこそ  神代から この橘を
 いつまでも 香り続ける やと 言われるのんも もっともや》
                         ―大伴家持―〔巻十八・四一一一〕 



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