ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

日めくり万葉集<8月>(その3)

2009年11月24日 | 日めくり万葉集
■平成21年11月24日■
NHKテレビ「日めくり万葉集」で取り上げられた 万葉歌を 「大阪弁」で訳します
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★新婚の 嫁さん料理 上手やで しただみレシピ 歌で歌とてる
香島かしまねの 机の島の しただみを いひりひ持ち来て 
石もち つつきやぶり 速川に 洗ひすすぎ 
辛塩からしおに こごとみ 高杯たかつきに盛り 机に立てて 
母にあへつや 目豆児めづこ刀自とじ 
父にあへつや 身女児みめこ刀自とじ

《机の島の シタダミひろろて
 石で砕いて きれえにあろろて
 塩もみしてから うつわに盛って
 おかあにあげたか お嫁さん
 おとうにやったか 嫁さんよ》
                         ―作者未詳―〔巻十六・三八八〇〕 


★清楚花 悩むみたいに 見えへんが 人知られんと 堪えとるのんか
夏の野の 繁みに咲ける ひめ百合ゆりの 知らえぬ恋は 苦しきものそ
《知られんで  ひとり思てる 恋苦し 夏の繁みで 咲く百合みたい》
                       ―大伴坂上郎女―〔巻八・一五〇〇〕 


★最愛の お前残して あぢま野の 配流たび先暮らし 長ごなってもた
ほととぎす あひだしまし置け が鳴けば 我がふ心 いたもすべなし
《ホトトギス  引っ切り無しに 鳴きないな 聞いたら心 締め付けられる》
                       ―中臣宅守なかとみのやかもり―〔巻十五・三七八五〕


★親や妻 生きてるうちに 孝行こうこせな 墓に布団は 掛けられへんで
世間よのなかは まこと二代は 行かざらし 過ぎにし妹に 逢はなく思へば
《人生は 二度ないらしい 死んでもた うちのあいつに 逢われへんがな》
                         ―作者未詳―〔巻七・一四一〇〕