ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

歴史編(30)湖淋しに日が暮れる

2009年11月16日 | 歴史編
■平成21年11月16日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★草茂り 霧が流れる 古宮は 雲を霞と 消え果て流る
玉襷たまだすき 畝火うねびやまの 橿原かしはらの 日知ひじり御代みよゆ れましし かみのことごと 
つがの いやつぎつぎに あめした らしめししを
 
《畝傍の山の 橿原の 神武じんむ御代みよを 始めとし
 引き継ぎきたる 大君おおきみの 治め給いし 都やに》
そらにみつ 大和やまとをおきて あをによし 奈良山ならやまえ いかさまに おもほしめせか 
《何をおもたか 大和捨て 奈良山越えて はるばると》
天離あまざかる ひなにはあれど いはばしる 淡海あふみくにの 
楽浪さざなみの 大津おおつみやに あめした らしめしけむ
 
《近江の国の 大津宮おおつみや 都移しを したんやろ》
天皇すめろぎの かみみことの 大宮おおみやは こことけども 大殿おおとのは こことえども 
春草はるくさの しげひたる かすみ立ち 春日はるひれる ももしきの 大宮処おおみやどころ 見れば悲しも

《それや言うのに  その都 目当ての場所は 草繁り 大宮大殿 見当たらん
 どこ行ったか 雲霞かすみ 悲しさ募る 大宮処》
                         ―柿本人麻呂―〔巻一・二九〕 

ささなみの 志賀の辛崎からさき さきくあれど 大宮びとの 船待ちかねつ
《唐崎は そのまんまやが 待ってても 古都人ふるみやひとも 船も来えへん》
―柿本人麻呂―〔巻一・三〇〕 

ささなみの 志賀の大わだ よどむとも 昔の人に またもはめやも
せんいな よどみずみたいに とどまって 昔の人に おうおもても》
                         ―柿本人麻呂―〔巻一・三一〕 

いにしへの 人にわれあるや ささなみの ふるみやこを 見れば悲しき
《この古い 都見てたら 泣けてくる 古い時代の 自分ひとやないのに》
                         ―高市黒人たけちのくろひと―〔巻一・三二〕

淡海あふみうみ 夕浪ゆうなみ千鳥ちどり けば こころもしのに いにしへおもほゆ
《おい千鳥 そんなに啼きな 啼くたんび 古都みやこ思うて たまらんよって》
                         ―柿本人麻呂―〔巻三―二六六〕 





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