ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

日めくり万葉集<7月>(その1)

2009年11月02日 | 日めくり万葉集
■平成21年11月2日■
NHKテレビ「日めくり万葉集」で取り上げられた 万葉歌を 「大阪弁」で訳します
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★そら見てみ ええ加減せえ 言うたやろ 身から出た錆び わて知りまへん
左夫流児さぶるこが いつきし殿に 鈴掛けぬ 駅馬はゆまくだれり 里もとどろに
左夫流児さぶるこが 仕える屋敷 大騒ぎ 嫁さんじかに 馬飛ばし来た》
                         ―大伴家持―〔巻十八・四一一〇〕 

★新羅へと 行く不安旅 夜更けて 沖の灯火あかりに 侘しさ募る
山のに 月かたぶけば いざりする 海人あま灯火ともしび 沖になづさふ
つき山に 隠れてしもた りょうしてる 船の沖で 見え隠れする》
                         ―遣新羅使人―〔巻一五・三六二三〕 

★夏の夜の 浪漫ロマンうて 楽しむが うちら悲しい 定めやねんで
彦星ひこぼしは 織女たなばたつめと 天地あめつちの 別れし時ゆ 
いなうしろ  川に向き立ち 
思ふそら  安からなくに 嘆くそら  安からなくに

《彦星はんと 織姫おりひめはん 太古の昔  仲裂かれ
 思い交わせず  嘆きおる》
青波あをなみに 望みは絶えぬ 白雲に  涙は尽きぬ 
かくのみや いきき居らむ かくのみや  恋ひつつあらむ

《逢いたい気持ち 波はばむ 白い雲見て  涙する
 溜息ためいきもらし 恋焦がる》
ぬりの 小舟をぶねもがも たままきの かいもがも 
あさなぎに いき渡り 夕潮に いぎ渡り 
ひさかたの あま川原かはらに 
あま飛ぶや 領巾ひれ片敷き 玉手たまでの 玉手たまでさしへ 
あまた夜も ねてしかも 秋にあらずとも

《赤い船欲し  櫂も欲し 朝は川越え  夕べ漕ぎ
 天の川原かわらに 領布ひれ敷いて 腕をからめて 寝てみたい
 七夕あきだけごて 幾晩も》
                         ―山上憶良―〔巻八・一五二〇〕