NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【六月三十日】放映分
★術も無く 苦しくあれば 出で走り 去ななと思へど 児らに障りぬ
《苦しいて あの世行こかと 思うても 子供邪魔して 死ぬこと出来ん》
―山上憶良―(巻五・八九九)
【万葉歌みじかものがたり】《現の限は》
天平五年(733)
老身憶良は 病の床にあった 数えて七十四
たまきはる 現の限は 平けく 安くもあらむを 事も無く 喪も無くあらむを 世間の 厭けく辛けく
《生きてるうちは 病気せず 楽に死にたい 思うても 世の中辛て 苦しいわ》
いとのきて 痛き瘡には 辛塩を 注くちふが如く ますますも 重き馬荷に 表荷打つと いふことの如 老いにてある 我が身の上に 病をと 加へてあれば
《塩を生傷 塗るみたい 追い荷重荷に 積むみたい 老い身に病気 重なって》
昼はも 嘆かひ暮し 夜はも 息衝き明かし 年長く 病みし渡れば 月重ね 憂へ吟ひ
《夜は溜息 昼嘆き 長患いの 続くうち》
ことことは 死ななと思へど 五月蝿なす 騒く児どもを 打棄てては 死は知らず 見つつあれば 心は燃えぬ
《いっそ死のかと 思たけど 餓鬼ども放って 死なれへん 子供見てると 胸痛む》
かにかくに 思ひ煩ひ 哭のみし泣かゆ
《あれこれ思い 悩みして 考えあぐね 泣くばかり》
―山上憶良―(巻五・八九七)
慰むる 心はなしに 雲隠り 鳴き行く鳥の 哭のみし泣かゆ
《安らかな 気持ちなれんで ピイピイと 鳥鳴くみたい 泣き続けとる》
―山上憶良―(巻五・八九八)
術も無く 苦しくあれば 出で走り 去ななと思へど 児らに障りぬ
《苦しいて あの世行こかと 思うても 子供邪魔して 死ぬこと出来ん》
―山上憶良―(巻五・八九九)
富人の 家の児どもの 着る身無み 腐し棄つらむ 絹綿らはも
《金持ちの 家の子供は 良え衣を 着んと放ってる 絹や綿入れ》
―山上憶良―(巻五・九〇〇)
荒栲の 布衣をだに 着せかてに 斯くや嘆かむ 為むすべを無み
《捨てるよな ボロ衣さえも 着ささんと 嘆いてみても どもならんのや》
―山上憶良―(巻五・九〇一)
水沫なす 微き命も 栲縄の 千尋にもがと 願ひ暮しつ
《泡みたい すぐ消えるよな 命でも 長ごと思て 暮らしてるんや》
―山上憶良―(巻五・九〇二)
倭文手纒 数にも在らぬ 身には在れど 千年にもがと 思ほゆるかも
《安物の 飾りみたいな このわしも せめて長生き したい思とる》
―山上憶良―(巻五・九〇三)
来し方 行く末 心休まらぬ 憶良がいる
――――――――――――――――――――
【新しい試みです】
「歌心関西訳」の作成過程をご覧ください。
これなら あなたも 訳せますよ。
<訳してみよう万葉集>へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【六月三十日】放映分
★術も無く 苦しくあれば 出で走り 去ななと思へど 児らに障りぬ
《苦しいて あの世行こかと 思うても 子供邪魔して 死ぬこと出来ん》
―山上憶良―(巻五・八九九)
【万葉歌みじかものがたり】《現の限は》
天平五年(733)
老身憶良は 病の床にあった 数えて七十四
たまきはる 現の限は 平けく 安くもあらむを 事も無く 喪も無くあらむを 世間の 厭けく辛けく
《生きてるうちは 病気せず 楽に死にたい 思うても 世の中辛て 苦しいわ》
いとのきて 痛き瘡には 辛塩を 注くちふが如く ますますも 重き馬荷に 表荷打つと いふことの如 老いにてある 我が身の上に 病をと 加へてあれば
《塩を生傷 塗るみたい 追い荷重荷に 積むみたい 老い身に病気 重なって》
昼はも 嘆かひ暮し 夜はも 息衝き明かし 年長く 病みし渡れば 月重ね 憂へ吟ひ
《夜は溜息 昼嘆き 長患いの 続くうち》
ことことは 死ななと思へど 五月蝿なす 騒く児どもを 打棄てては 死は知らず 見つつあれば 心は燃えぬ
《いっそ死のかと 思たけど 餓鬼ども放って 死なれへん 子供見てると 胸痛む》
かにかくに 思ひ煩ひ 哭のみし泣かゆ
《あれこれ思い 悩みして 考えあぐね 泣くばかり》
―山上憶良―(巻五・八九七)
慰むる 心はなしに 雲隠り 鳴き行く鳥の 哭のみし泣かゆ
《安らかな 気持ちなれんで ピイピイと 鳥鳴くみたい 泣き続けとる》
―山上憶良―(巻五・八九八)
術も無く 苦しくあれば 出で走り 去ななと思へど 児らに障りぬ
《苦しいて あの世行こかと 思うても 子供邪魔して 死ぬこと出来ん》
―山上憶良―(巻五・八九九)
富人の 家の児どもの 着る身無み 腐し棄つらむ 絹綿らはも
《金持ちの 家の子供は 良え衣を 着んと放ってる 絹や綿入れ》
―山上憶良―(巻五・九〇〇)
荒栲の 布衣をだに 着せかてに 斯くや嘆かむ 為むすべを無み
《捨てるよな ボロ衣さえも 着ささんと 嘆いてみても どもならんのや》
―山上憶良―(巻五・九〇一)
水沫なす 微き命も 栲縄の 千尋にもがと 願ひ暮しつ
《泡みたい すぐ消えるよな 命でも 長ごと思て 暮らしてるんや》
―山上憶良―(巻五・九〇二)
倭文手纒 数にも在らぬ 身には在れど 千年にもがと 思ほゆるかも
《安物の 飾りみたいな このわしも せめて長生き したい思とる》
―山上憶良―(巻五・九〇三)
来し方 行く末 心休まらぬ 憶良がいる
――――――――――――――――――――
【新しい試みです】
「歌心関西訳」の作成過程をご覧ください。
これなら あなたも 訳せますよ。
<訳してみよう万葉集>へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます