犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(205)対馬の嶺は

2013年06月05日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【一月二十三日】放映分
対馬つしまは 下雲したぐもあらなふ かむに たなびく雲を 見つつしのはも
《対馬には く雲い 神峰かみみねに 靡く雲見て 偲ぶでお前》
                          ―東 歌―(巻十四・三五一六)

【万葉歌みじかものがたり】可刀かと娘子をとめの》

任受け旅は 辛いもの 心配よそに 不埒ふらちする

国の命令 かしこく受けて
僻地へきち派遣の 任務の歌か
都勤めと 故郷ふるさとを離れ
妻子残した 都行のぼりの歌か

残る家の児 別れはつら
一人 待つ身の 寝床は寒い
募る思いの さみしさこら
出向く 夫の 無事妻祈る

もし やこのうち 打ち捨ておいて
かこ無聊ぶりょうに 間違い起こし
都女みやこおんなに 間違いせぬか
はるか行く雲 何処いずこの宿り

赤駒あかごまが 門出かどでをしつつ 出でかてに せしを見立てし 家の児らはも
《赤駒が 家を出る時 躊躇ためろたん じっと見てたな うちのあの児は》
                          ―東 歌―(巻十四・三五三四)
我が背子せこを 大和へりて 待つしだす 足柄山の 杉のの間か
い大和 行かしてうちが 待つにも 足柄杉や 日ィ過ぎてくで》
                          ―東 歌―(巻十四・三三六三)
おもの 忘れむしだは 国はふり に立つ雲を 見つつしのはせ
《うちの顔 忘れかけたら 地から湧き 山昇のぼる雲見て 思い出してや》
                          ―東 歌―(巻十四・三五一五)
対馬つしまは 下雲したぐもあらなふ かむに たなびく雲を 見つつしのはも
《対馬には く雲い 神峰かみみねに 靡く雲見て 偲ぶでお前》
                          ―東 歌―(巻十四・三五一六)
海原うなはらの やは小菅こすげ あまたあれば 君は忘らす 我れ忘るれや
根柔菅ねやわすげえ女) 多数ようけるから あんたうち 忘れるやろが うち忘れんで》
                          ―東 歌―(巻十四・三四九八)
うち日さす 宮の我がは 大和女やまとめの ひざくごとに を忘らすな
《晴れやかな 都であんた 大和女やまとめの 膝枕まくらしたかて うち忘れなや》
                          ―東 歌―(巻十四・三四五七)
筑紫つくしなる にほふ児ゆゑに 陸奥みちのくの 可刀利かとり娘子をとめの ひし紐解く
筑紫つくし(都会)の児 色っぽいんで 香取かとり(田舎)の児 結んだ紐を ほどいて仕舞うが》
                          ―東 歌―(巻十四・三四二七)



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