犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(128)道の辺の

2012年07月28日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【九月二十二日】放映分
道のの いちしの花の いちしろく 人皆知りぬ 恋妻こひづま
《恋しとて わし隠してた あの児やに はっきり皆に 知られて仕舞しもた》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四八〇)


【万葉歌みじかものがたり】恋忘れ 草》

生える 草花 身近の仲間
たくす心は 普段着ままよ
 の玉藻に あの児を重ね
黒髪 偲び 独り寝思う

我が背子に が恋ひれば 我がやどの 草さへ思ひ うらぶれにけり
《恋焦がれ うちがしょんぼり してたなら 草もしおれて しょんぼりしてる》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四六五)
道のの 草深くさふか百合ゆりの ゆりもと言ふ 妹が命を 我れ知らめやも
百合ゆりはなの あとあとでと うお前 お前の寿命じゅみょう わし分らんが》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四六七)
                                         (百合→ゆりも)
みなとあしに じれる草の しりくさの 人皆知りぬ 下思したもひは
あしじり えるしりくさ 知られたで まわみんなに 心おもいを》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四六八)
                                         (知草→知りぬ)
我がやどの のきのしだ草 ひたれど こひわすぐさ 見れどいまだ生ひず
《うちのいえ 軒のしだ草 えとるが 恋忘れ草 えとらんがな》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四七五)
つ田には ひえ数多あまたに ありといへどえらえし我れぞ を一人
田圃たんぼには ひえ仰山ぎょうさん えとるが 間引まびかれたわし るん独りや》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四七六)
あきかしは 潤和うるわ川辺かはへの 小竹しのの芽の 他人ひとには忍び 君にへなくに
《うちの恋 他人ひとに知れん 出来るけど あんたを見たら もうたまらんわ》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四七八)
                                          (小竹→忍び)
道のの いちしの花の いちしろく 人皆知りぬ 恋妻こひづま
《恋しとて わし隠してた あの児やに はっきり皆に 知られて仕舞しもた》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四八〇)
                                      (いちし→いちしろく)
山ぢさの 白露重み うらぶれて心も深く が恋まず
《山ぢさが 露がおもうて しおれてる わしもしおれて 焦がれがまん》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四六九)
水底みなそこに ふる玉藻の うちなびき 心は寄りて 恋ふるこのころ
玉藻なびく みたいあんたに 心寄り 恋し思うで この頃うちは》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四八二)
敷栲しきたへの 衣手ころもでれて 玉藻なす 靡きからむ を待ちかてに
《袖わし 出けんで黒髪かみを なびかせて 独り寝てるか わし待ち兼ねて》
                      ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四八三)



――――――――――――――――――――
【新しい試みです】
「歌心関西訳」の作成過程をご覧ください。
これなら あなたも 訳せますよ。
<訳してみよう万葉集>へ

【万葉歌みじか物語】はこちら



<万葉歌みじかものがたり>へ




■リンク先

      
      

最新の画像もっと見る

コメントを投稿