NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【六月十六日】放映分
★淡海の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに 古思ほゆ
《おい千鳥 そんなに啼きな 啼く度 往古思うて 堪らんよって》
―柿本人麻呂―(巻三・二六六)
【万葉歌みじかものがたり】《夕波千鳥》
大津宮陥落の後 十数年が過ぎ
持統天皇の御代
父 天智天皇の供養にと 近江への行幸
近江の湖畔
佇む 柿本人麻呂
口をついて 言葉が迸る
玉襷 畝傍の山の 橿原の 日知の御代ゆ 生れましし 神のことごと 栂の木の いや継ぎ継ぎに 天の下 知らしめししを
《畝傍の山の 橿原の 神武の御代を 始めとし 引き継ぎ来る 大君の 治め給いし 都やに》
天にみつ 大和をおきて 青丹よし 奈良山を越え いかさまに 思ほしめせか
《何を思われ 大和捨て 奈良山越えて はるばると》
天離る 鄙にはあれど 石走る 淡海の国の 楽浪の 大津の宮に 天の下 知らしめしけむ
《遠く離れた 片田舎 近江の国の 大津宮 都移しを しなされた》
天皇の 神の命の 大宮は ここと聞けども 大殿は ここと言えども 春草の 繁く生ひたる 霞立ち 春日の霧れる ももしきの 大宮処 見れば悲しも
《それや言うのに その都 目当ての場所は 草繁り 大宮大殿 見当たらん どこへ行ったか 雲霞 悲しさ募る 大宮処》
―柿本人麻呂―(巻一・二九)
人麻呂の 故宮への 追慕は止まず
楽浪の 志賀の唐崎 幸くあれど 大宮人の 船待ちかねつ
《唐崎は そのまんまやが 待ってても 古都人も 船も来えへん》
―柿本人麻呂―(巻一・三〇)
楽浪の 志賀の大わだ 淀むとも 昔の人に またも逢はめやも
《淀み水 今もあるのに 詮無いで 昔の人に 逢うこと無うて》
―柿本人麻呂―(巻一・三一)
日が落ち 寂しさ募る湖辺
鳴く千鳥が 人麻呂の胸を 締め付ける
淡海の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに 古思ほゆ
《おい千鳥 そんなに啼きな 啼く度 往古思うて 堪らんよって》
―柿本人麻呂―(巻三・二六六)
――――――――――――――――――――
【新しい試みです】
「歌心関西訳」の作成過程をご覧ください。
これなら あなたも 訳せますよ。
<訳してみよう万葉集>へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
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《おい千鳥 そんなに啼きな 啼く度 往古思うて 堪らんよって》
―柿本人麻呂―(巻三・二六六)
【万葉歌みじかものがたり】《夕波千鳥》
大津宮陥落の後 十数年が過ぎ
持統天皇の御代
父 天智天皇の供養にと 近江への行幸
近江の湖畔
佇む 柿本人麻呂
口をついて 言葉が迸る
玉襷 畝傍の山の 橿原の 日知の御代ゆ 生れましし 神のことごと 栂の木の いや継ぎ継ぎに 天の下 知らしめししを
《畝傍の山の 橿原の 神武の御代を 始めとし 引き継ぎ来る 大君の 治め給いし 都やに》
天にみつ 大和をおきて 青丹よし 奈良山を越え いかさまに 思ほしめせか
《何を思われ 大和捨て 奈良山越えて はるばると》
天離る 鄙にはあれど 石走る 淡海の国の 楽浪の 大津の宮に 天の下 知らしめしけむ
《遠く離れた 片田舎 近江の国の 大津宮 都移しを しなされた》
天皇の 神の命の 大宮は ここと聞けども 大殿は ここと言えども 春草の 繁く生ひたる 霞立ち 春日の霧れる ももしきの 大宮処 見れば悲しも
《それや言うのに その都 目当ての場所は 草繁り 大宮大殿 見当たらん どこへ行ったか 雲霞 悲しさ募る 大宮処》
―柿本人麻呂―(巻一・二九)
人麻呂の 故宮への 追慕は止まず
楽浪の 志賀の唐崎 幸くあれど 大宮人の 船待ちかねつ
《唐崎は そのまんまやが 待ってても 古都人も 船も来えへん》
―柿本人麻呂―(巻一・三〇)
楽浪の 志賀の大わだ 淀むとも 昔の人に またも逢はめやも
《淀み水 今もあるのに 詮無いで 昔の人に 逢うこと無うて》
―柿本人麻呂―(巻一・三一)
日が落ち 寂しさ募る湖辺
鳴く千鳥が 人麻呂の胸を 締め付ける
淡海の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに 古思ほゆ
《おい千鳥 そんなに啼きな 啼く度 往古思うて 堪らんよって》
―柿本人麻呂―(巻三・二六六)
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