犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(031)若の浦に

2011年07月23日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【五月九日】放映分

わかうらに そでさへ濡れて 忘れ貝 ひりへど妹は 忘らえなくに

 《若浦わかうらで 袖まで濡らし 忘れ貝 ろたがあの児 忘れられんが》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一七五)



【万葉歌みじかものがたり】いそ越す波に》

磯を歩けば 波すそ濡らす
がれいやそと 忘れの貝を
拾ろおした袖 波また濡らす
恋し涙が 頬まで濡らす
  
我妹子わぎもこに るとはなしに 荒磯ありそに 我が衣手ころもでは 濡れにけるかも
《妻れん まま過ごした わしの袖 荒磯ありそめぐりで 濡れて仕舞しもたで》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一六三)
   
わかうらに そでさへ濡れて 忘れ貝 ひりへど妹は 忘らえなくに
若浦わかうらで 袖まで濡らし 忘れ貝 ろたがあの児 忘れられんが》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一七五)
   
わかうらに そでさへ濡れて 忘れ貝 ひりへど妹は 忘れかねつも
若浦わかうらで 袖まで濡らし 忘れ貝 ろたがあの児 忘れ出来んで》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一七五 或る本)
   
むろうらの 瀬戸せとさきなる 鳴島なきしまの いそ越す波に 濡れにけるかも
むろの浦 瀬戸せとさきにある 鳴島なきしまの 涙やろうか 波に濡れたで》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一六四)
   
あしひきの 山は百重ももえに 隠すとも 妹は忘れじ ただに逢ふまでに
《山々が 幾重いくえかさなり かくしても お前忘れん じかうまでは》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一八九)
   
み雪降る こし大山おほやま 行き過ぎて いづれの日にか 我が里を見む
《雪の降る こし大山おおやま 越え行って 何時いつになったら 故郷くに見られんや》
                           ―作者未詳―(巻十二・三一五三)


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