犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(014)玉垂の

2011年05月21日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は ご覧になれません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【四月十四日】放映分

玉垂たまだれの 小簾をすのすけきに かよ
  垂乳根たらちねの 母がはさば 風とまをさむ

《このすだれ 隙間すきま通って かよといでやな
  音しても おかあいたら 風やてうわ》
                          作者未詳―(巻十一・二三六四)



【万葉歌みじかものがたり】《母がはさば》
としごろむすめ かかえるおや
下手 な虫なぞ 寄らしてなるか
厳重げんじゅう監視みはり 怠りなしに
日毎ひごと夜毎よごとの 警戒しき

当の娘は えを迎え
親の目ぬすみ 男と出来る
忍ぶ 男の 足音聞いて
娘どきどき おや目をらす

垂乳根たらちねの 母にさはらば いたづらに いましれも 事のなるべき
《おはんに 邪魔されたなら あんたうち 二人の仲は 台無しなるで》【正述心緒】
                          作者未詳―(巻十一・二五一七)
  
垂乳根たらちねの 母にまをさば 君もれも 逢ふとはなしに 年ぞぬべき
かあちゃんに うて仕舞しもたら 二人とも もうわれんで これからずっと》【正述心緒】
                          作者未詳―(巻十一・二五五七)
  
そかれと 問はば答へむ すべをなみ 君が使つかひを 帰しつるかも
だれやんと 聞かれ返事が へんで あんたの使つかい 帰して仕舞しもた》【正述心緒】
                          作者未詳―(巻十一・二五四五)
  
荒熊あらくまの むといふ山の 師歯迫山しはせやま めて問ふとも が名は告らじ
《おはんが なんぼうちめ んねても うもんかいな あんたの名前》【寄物陳思】
                          作者未詳―(巻十一・二六九六)
                         (め)

れぞこの が宿呼ぶ垂乳根たらちねの 母にころはえ ものれを
《おはんに しかめられ 沈むのに 誰やほんまに 家来て呼ぶん》【正述心緒】
                          作者未詳―(巻十一・二五二七)
  
 旋頭歌】
玉垂たまだれの 小簾をすのすけきに かよ
垂乳根たらちねの 母がはさば 風とまをさむ

《このすだれ 隙間すきま通って かよといでやな
 音しても おかあいたら 風やてうわ》
                          作者未詳―(巻十一・二三六四)
  
玉垂たまだれの 小簾をす垂簾たれすを 行きかちに さずとも 君はかよはせ
ととかか 間にすだれ らすから とも出来んが りんとかよて》【正述心緒】
                          作者未詳―(巻十一・二五五六)
  
奥山の 真木まきいたを 押し開き しゑやね のちは何せむ
《がっしりの 板戸バアンと 押し開けて 出てあとは どうでもなるで》【正述心緒】
                          作者未詳―(巻十一・二五一九)


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