万葉集ブログ・2 まんえふしふ 巻九~巻十

teacup.ブログ“Autopage”から引っ越してきました。

2331 作者未詳

2012-05-20 | 巻十 冬雑歌
詠黄葉

八田乃野之 淺茅色付 有乳山 峯之沫雪 寒零良之

八田(やた)の野の 浅茅色(あさぢいろ)づく 有乳山(あらちやま) 嶺(みね)の淡雪 寒く散るらし


黄葉(もみじ)を詠む

「八田の野では、チガヤが色づきました。有乳山には、峰に淡雪(が降り)、寒くて(もみじも)落葉するでしょう」

2330 作者未詳

2012-05-19 | 巻十 冬雑歌
詠露

為妹 末枝梅乎 手折登波 下枝之露尓 沾尓家類可聞

妹がため ほつ枝の梅を 手折るとは 下枝(しづえ)の露に 濡れにけるかも


露を詠む

「妻のために、枝先のウメを、手折ったので、根元の枝の露に、濡れてしまったよ」

2329 作者未詳

2012-05-18 | 巻十 冬雑歌
雪寒三 咲者不開 梅花 縦比来者 然而毛有金

雪寒み 咲きには咲かぬ 梅の花 よしこのころは かくてもあるがね


「雪が(多くて)寒いんじゃあ、咲きたくても咲けないよなあ、ウメの花も。う~ん最近は、こんな(天気の)状態だからね」

2328 作者未詳

2012-05-17 | 巻十 冬雑歌
来可視 人毛不有尓 吾家有 梅之早花 落十方吉

来て見べき 人もあらなくに 我家(わぎへ)なる 梅の初花 散りぬともよし


「(自宅に)来て見てくれる、友人もいないので、我が家の、ウメの今年一番の花だが、散ってしまってもしかたがないよなあ」

2327 作者未詳

2012-05-16 | 巻十 冬雑歌
誰苑之 梅尓可有家武 幾許毛 開有可毛 見我欲左右手二

誰が園の 梅にかありけむ ここだくも 咲きてあるかも 見が欲しまでに


「どなたの庭園の、ウメでしょうか。こんなにもたくさん、咲いていますよ。見させていただきたいです」