十二のひかり 放ちては あまたの国を てらします
(生きとしいくる ものすべて このみひかりの うちにあり)
この意訳の正信偈本文は 普放無量無辺光(ふほうむりょうむへんこう) 無碍無対光炎王(むげむたいこうえんのう) 清浄歓喜智慧光(しょうじょうかんぎちえこう) 不断難思無称光(ふだんなんじむしょうこう) 超日月光照塵刹(ちょうにちがっこうしょうじんせつ) 一切群生蒙光照(いっさいぐんじょうむこうしょう)
原典の無量寿経(上巻)には十二光は次の様に述べられています。
「・・・・乃至、一仏土を照らす。このゆえに無量寿仏をば、無量光仏、無辺光仏、無碍光仏、無対光仏、焔王光仏、清浄光仏、歓喜光仏、智慧光仏 、不断光仏、難思光仏、無称光仏、超に日月光仏と号す。この光に遇うものは、三垢消滅し、身意柔軟なり。歓喜踊躍して善心生ず。」(注釈版浄土真宗聖典)
このカ所を親鸞聖人は僅か4句28字にまとめられました。意訳においてはどうしても字数の制限があるため、「十二のひかり」と、まとめられています。
見るもの、聞くこと、触れるもの、全てのこと、一切のことがこの私に真実を知らしめる光のはたらきであります。一切のことに執らわれて憂悲苦悩を起こしていることから真実を知らしめ、お名号に安堵させようとするはたらきが光明なのです。
「絵ものがたり正信偈」では次の様に訳されています。
まさにその時 あまねく世界にむけて 光が放たれました
はかり知れず どこまでもとどき すべてをつらぬく光
比べようもなく 炎の王であり 清らかであり
よろこびにつつまれ しんじつであり 絶えることのない光
考えを超え 言葉でつくせず 太陽や月よりも輝く
その光に いのちあるもの、すべてが
つつまれていきました