当院の椿、白藪椿「妙好人」(みょうこうにん)の蕾が膨らみ始めました。他の蕾はまだまだ固いのですが、この蕾だけはぐん
ぐん膨らんで来ました。明日にでも開くのではないかと思います。厳しい寒さでしたからきっときっと輝くような純白の花弁を見
せてくれることでしょう。
島根大学の哲学の教授であられた川上清吉先生の讃仏詩頌に「芬陀利華」(ふんだりけ)と題された詩頌があります。お正信偈
の「一切善悪凡夫人 聞信如来弘誓願 仏言広大勝解者 是人名分陀利華」の味わいを散文詩とされました。この芬陀利華の言葉
はサンスクリットの「プンダリーカ」の音写で意味は「白い蓮の華」のこと、仏法を純情に慶ぶ人を白い蓮の華のような人と喩え
られ、最勝人とも妙好人ともたたえられています。
芬陀利華(ふんだりけ)
よしあしの 間(はざま)をまよい
より処(ど)なき凡夫(ただびと)すらや
みほとけの
誓いをきけば
おおいなるみむねをうけて
現世(うつしよ)のにごりえに咲く
かぐわしき
芬陀利華(しらはちす)かも
世のひとの うちにすぐれて
上もなき 人とたたえん
みほとけの
かくそは告(の)れ
この詩頌に山田耕作さんがきれいな曲をつけておられます。
このような味わい、イメージーからこの白藪椿を「妙好人」と呼ぶようにしたのでした。