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私の毎日と心に浮かんだこと

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右京さん、水谷さん、アキラ

2012-01-17 09:26:17 | テレビドラマ・漫画
子供の頃、元旦は元旦らしい匂いがした。空気が洗いたてのようにさっぱりして、それでいて華やぎがあった。
門松を立てている家も多かったし和服の女性も目に付いた。大晦日に髪をセットしに行く…なんて慣わし、とっくに
消えてしまったろう。着替えのときセットした髪型が崩れないように前ボタンのカーディガンを着て行くのだ…。
私じゃなくて母の年代の女性たちの話だけれど。
ここ数年ますます、新年に襟を正すという雰囲気が無くなってきた。テレビ番組もそうだ。以前はお正月にふさわしい
品格のあるドラマをやっていたような気がするが、今では変わり映えのしないお笑いタレントと軽薄な女の子たちが、
申し訳に着物姿で騒いでいるばかり。(ファンのヒトには、ごめんなさい)

そんな中で一つだけ楽しめたのが「相棒 お正月スペシャル」だった。さすがテレビ朝日の看板番組だけあって力が入って
いたから、お金を払って映画館で観ているような気分になれた。

オペラ公演の夜、裕福な家庭の子供たちが送迎バスごと誘拐される。不審に思って跡をつけた神戸刑事(及川光博)と、
運悪く巻き込まれたビル掃除の青年もろとも。
犯人たちは冷酷なテロリスト…と思いきや、首謀者(吉田栄作)は日本の将来を憂うひたむきな青年だったり、その首謀者が
仲間に殺されたり、新たなリーダーの狙いは全く違っていたり…。とストーリーは二転三転。そして格差社会への怒りや
悲しみが余韻となって終わる。2時間半、目が離せない展開だった。

事件解決の要となる杉下右京は、水谷豊の当たり役だ。頭脳明晰、冷静沈着、お偉いさんにも一目置かれているのに窓際族。
クールに見えるけれど実は人情家、紅茶とチェスを愛し(紅茶はきっとアールグレイだろう…と私は思う)別れた奥さんを
愛している。素敵なキャラクターじゃないですか。
でもこういう当たり役があると、他の役をやりにくくなるかもしれない。いつだったか水谷豊が絵師・喜多川歌麿を演じて
いたが、熱演なのにしっくりしなかった。それだけ杉下右京の存在が浸透し愛されているということだろう。

でも時どき不思議な気持ちになる。
私にとって水谷豊という俳優さんは「理性的な杉下右京」ではなく、「半人前のチンピラ・アキラ」なのだから。

1974年から75年にかけて放送されていたテレビドラマ「傷だらけの天使」は、いろいろな意味で忘れ難い。
オープニングテーマ曲は井上堯之バンド。この曲をバックに主役のショーケン(萩原健一)がワイルドに食事をする。

暴力や性的なシーン、ヌードシーン、どれも目を覆いたくなるくらい過激だった。
そう、1970年代というのは不思議な時代だった。反戦や70年安保の嵐が去ったあとも何かがくすぶり続けていた。
音楽も芸術も新しいものがどんどん入ってきた反面、かぐや姫の「神田川」に代表されるような小さな世界もあった。

「何でもあり」のあの時代に生まれたとんでもないドラマ「傷だらけの天使」の中で、主役のオサム(萩原健一)にへばりつく
ダメ男アキラを演じたのが水谷豊だった。整髪料でベッタリ固めたリーゼント、革ジャンで粋がっているものの兄貴分のオサムが
いないと何もできない。口は達者だけれど、女性に対してはからきし意気地が無くて、チャンスが来ても震えるばかり。
でも健気なまでにオサムを慕っているのだ。

そんないじらしいダメ男を演じた水谷豊が、今や杉下右京になっている。
これも歳月のいたずらなんだろうか。 

<傷だらけの天使>は現在、BS日テレで再放送中。                

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2 コメント

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Unknown (Arthur)
2012-01-17 23:37:44
昔の正月は、昼から夜まで長々と時代劇を放送している局とかありましたよね。父がよくそういうのを観ていて、そういう大作的な時代劇があまり好きではない私には地獄でした。

最近の正月のテレビは、あれはあれで結構好きです。ただ、同じ人が色んなところに出すぎだな、と。時間をつぶしているだけのお祭りみたいなバラエティよりは、同じバラエティでもテーマを持って作っている番組とか、ちゃんとした漫才などの番組をよく見ました。

「相棒」、実はただの一度も見たことがありません(笑)。絶対に水谷 豊の印象が変わってしまうと思うから。「熱中時代」でも既に違和感がありましたもの。

岸田 森が生前、水谷 豊に「誰かの後には大抵誰かがいるものだが、豊の後に豊はいないから、そのままで、やりたいようにやったらいい」と言ったそうです。
アキラの輝き (金曜日のピュ)
2012-01-18 11:08:34
>昼から夜まで長々と時代劇…
  「宮本武蔵」とか、やっていましたね。
  親が腰を落ち着けてこれを見はじめてしまうと、子供はたまらんですね
  「新春ワイド時代劇」は今も続いているようです。知りませんでした。自分は殆ど見たことありませんが、
  お正月めがけて丹念に作られた作品には好感が持てます。来年は見ようかな。
   
お祭りみたいなバラエティには辟易ですが、若手芸人が真剣に取り組んでいる番組は好きです。
お正月番組ではありませんが「レッドシアター」がお気に入りでした。もうやらないのかな…。

私は「熱中時代」さえ見ていませんでしたし、その後の水谷豊の作品も知らなかったので
「相棒」が出たときは本当に驚き、違和感を感じました。
今は毎回ではありませんが楽しみに見ています。
水谷豊だと思わないで、「杉下右京」として見ることにしています。

「傷天」の再放送を見て、改めてこれが水谷豊だ…と思いました。

>豊の後に豊はいない…
  オサム役を演じる俳優はいるかもしれないけれど、あのアキラの役が出来る人は現れないでしょうね。

それにしても、あの頃の名優、怪優さんたちが次々他界して寂しいですね
  

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