井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

必殺の美学

2018年06月09日 | ドラマ

BSで「必殺仕事人」だか「仕置人」だか、再放送をやっていて
画面が長方形ではなく正方形に近いので、相当古いのでしょう。

何気なく見始めたら、これが面白くてのめり込みました。
脚本、監督、役者と揃っていたら画面の大きさは
関係ないというのが持論で、だから映画は映画館で
見るべしという意見は私には説得力がないのですが、
つまらない映画は画面も小さく弱々しく感じます。

それにしても藤田まことさん、着物がこれほど身体に
なじんでいらっしゃる方だったことに、初めて
気が付きました。
昔、文部省(文科相)のある賞をわたくしが
受賞したおり、藤田さんも何かの部門で受賞、
会場でお見かけしました。
歌の部門では坂本冬美さんがいた、そんな会場で
文部大臣はじめ、政治家の人々も多く、たぶん
これをきっかけに、初めてわたくしは総理官邸内に
足を踏み入れた、と思います。

必殺の再放送には、村上弘明くんも出ていて、
彼とは、新人の頃しじゅう会っていてサンフランシスコ、ニューヨーク、
ロタ島、サイパンと二人で旅もしましたが、今見ると目力の
あることに驚かされます。
彼はいくつになったのだか・・・・久しく会っていません。

必殺の様式美と、突拍子もない設定をいつも
たまたま見かけるたびに、面白いと思います。
文芸ものと共に時代劇も、気息奄々状態ですが
引き継ぐ人たちはいるのでしょうか。
所作一つ、衣装一つ、せりふ一つをとっても
約束事の世界です。

 

誤変換他、後ほど。

 


17 コメント

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Unknown (さくまま)
2018-06-09 21:41:23
初めまして。
今回の記事と全然関係なくてすみません。

私は
山口達也さんの大ファンです。
今でもそうです。
最近は同窓会ばかり見ていて そこから こちらのブログに辿り着きました。
本当に初々しいです。
上手く言えませんが
罪を償って 自分に還ってほしいな。
本当に初々しかったですね (井沢満)
2018-06-09 23:41:38
その後、別の連ドラにも出てもらい、役者としての開花を楽しみにしていたので・・・・・残念です。一度は密にご縁のあった人、しっかり今後を生きて欲しいと願っています。
Unknown (さくまま)
2018-06-10 00:03:53
そうですね。

テレビでは 酒癖女癖わるかったとかいってるけど
やっぱり夢を与えてもらったので 山口さんのことは今でも好きでファンです。

お返事ありがとうございました。
本職の先生からみると、(今回の私のコメント)間違った意見もあるかも知れませんが・・・ (美しい日本)
2018-06-10 00:25:29
井沢先生  こんばんは

昔見た、再放送の水戸黄門シリーズのエンディングでは、必ず “ 特技 宍戸大全 ” と出ていました。
その時は、何をする人かなと思っていましたが、
後にスタントの方だと知りました。

昭和の頃の時代劇制作には、各分野のエキスパートの方がちゃんといらしてレベルも高かった(層が厚かった)のだろうと思います。

平成になり、時代劇も廃れて?
新たな時代劇の放送は、大河ドラマか特番くらいなのではないでしょうか。

井沢先生が、以前ブログで “ 原作もの ” が増えてオリジナルの脚本を書ける若手が減っているという旨の事をおっしゃっていたと思います(私の記憶違いなら、ご容赦下さい)。

伝える場がなくなると、伝統は先細り消えゆく事となるのでしょうか。
或いは、質が低下しても形だけは残るのでしょうか。

あと、時代劇のかつらは、顔の大きな人が似合うと聞いたことがあります。
今の役者さんは、顔の小さい人がほとんどではないでしょうか。

主役は、顔が大きいだけでなく、男前でなければならないと思うのですが、
そういった条件に合う役者さんも時代と共に少なくなっているのではないかと。

時代劇は、制作側の技能継承等の問題と
適任といえる役者さんの問題があり、
昭和の時代劇のようなレベルを再現するのは、今後ますます難しくなるのだろうと思います。



先月、イタリアでの素晴らしいミュージカル『ジョージィ』をご覧になった先生からすると、
何だろう?と思われるかと思いますが。
ご参考に・・・

【炎上】乃木坂46の生歌が放送事故
http://www.akb48matomemory.com/archives/1071221081.html
昔の日本人 (井沢満)
2018-06-10 12:34:19
要するに、時代劇は昔の日本人の顔のサイズと体型に近い人がいいので・・・・
背が高く足が長いと、着物が馴染みません。
あと舞台では顔が大きい人。

宍戸大全 氏は監修者として(時代考証)、その名はしじゅう画面に出ていました。

原作物が多いということに加えて、コミックベースが多いです。映画も同じく。
特別仕立て? (チッチョ)
2018-06-10 16:47:02
足が長いと手も長いので「身幅に合わせると腕がにょっきり出てしまうから袖の中に引っ込めて誤魔化すのが大変」とモデル体型の友人の苦労話を聞きました。
先日、向井理さんのNHK時代劇を見ながら、袖丈だけ別の反物なのかしらと考えていました。

ところで、藤田まことさんは共演した女優さんとお付き合いされることが多く、それも女優さんの方がゾッコンになられ東京から寸暇を惜しんで会いに来られたとか。名前を聞いたら驚くような女優さんもいらしたと、香川登志緒さんが話しておられました。
実際お会いすると「テレビよりずっと格好良かった!」と友人が絶賛したのは、ちょうど必殺で人気者だった頃です。
女性でも、男仕立てにすると (井沢満)
2018-06-10 19:00:14
反物が余計に要るそうで・・・

藤田さんは色気のある男でしたね。
演劇の力 (くるみのばぁば)
2018-06-10 21:15:43
昔、新宿コマ劇場で藤田まことさん主演のミュージカル「その男 ゾルバ」を観ました。相手役は元宝塚の上月晃さん。
宝塚出身の大女優相手に、辺りを払う如く朗々たる圧巻の歌声、登場して一瞥で観客を鷲掴みする間の取り方…、全てが素晴らしく時間の経つのを忘れました。
当時、「てなもんや三度笠」とかで彼の喜劇的要素しか知らなかったので、その隠れた(?)才能に度肝に抜かれたような衝撃でした。
私はミュージカルやオペラをよく観ますが、なかなか藤田さんのゾルバ以上のものが無く、劇場のアンケートにまた観たいと何度か書き込みました。それほど素晴らしかったのでした。
亡くなってしまったので、それももう叶いません。素晴らしい才能の方でした。

時代劇も日本の財産です。
脚本、時代考証、所作、着付け、着物、演者…あらゆるものがひとつでも欠けたり、馴染んでなければ成り立たないでしょう。
もう江戸を舞台にした時代小説を書ける書き手もいなくなると何かで読みました。

年末にテレビで「赤穂浪士」の映画やドラマを観なくなって何年にもなります。
あれには、日本人の心情(親子愛、夫婦愛、師弟愛、他者を慈しむ心、自己犠牲の精神など)や機微、全てが詰まっていて、日本の心を醸成される気がするのですが、全く放映されなくなり寂しい限りです。

韓流ドラマを流すくらいなら、時代劇の再放送、再々放送を!と思っています。
(長々と書き連ね、すみませんでした。)
藤田まことさん演ずる中村主水の羽織の着方を「巻き羽織」というのですね (美しい日本)
2018-06-11 01:18:38
井沢先生  こんばんは

たまたま、調べている時に知りました(先生は、既にご存知でしょうけれど)。

廻り方同心独特の羽織の着方で、
着流しの上に羽織る
羽織の裾を内側に折り込んで帯に挟んで袋状にしたスタイル。
一説には、裾を短くする事で動きやすくなるからだとか。

https://i.pinimg.com/originals/be/b3/dc/beb3dcb279b24efa461de09966f254da.jpg


※ 必殺仕事人に一時出ていた、オカマのキャラクターがいました。
ストーリーに関係なく毎回出てくるのですが、
個人的には、ウケて印象に残っています。

とくに強烈で、印象に残っているものを見つけたので貼らせていただきます(その部分の動画です)。
http://www.pictame.com/media/1378915587539012021_3517831912
お返事 (井沢満)
2018-06-11 12:02:39
くるみのばぁばさん

藤田さんの「その男ゾルバ」は知りませんでした。
素晴らしさが想像できますが・・・・。幸四郎さんでしたっけ?
そちらのほうが有名で、かすんでしまったのでしょうか。
森繁さんだったかなぁ、ゾルバ。記憶が曖昧です。
幸四郎さんはラ・マンチャ・・・か。


時代劇は、映画もテレビもコンテンツとして参考映像が豊富に残っていることが救いです。

私は時代物は僅かしか書いてませんが、セリフが悩みどころでした。現代風にわかりやすくが基本なのですが、それでも時代の匂いは残したいので。
それは昭和初期、中期の言葉にも同じことが言えます。その時代の言い回しをすると、「浮く」場合があり、また肝心の役者が分かりません。


美しい日本さん

オカマキャラは再放送で初めて見たのですが(美男でした)、それぞれ違う役者(これは不細工なおっさん)でやっているのですね。
彼らの先見の明に驚かされます。
団子のくだりは不潔でぞわっとしましたが、こんなシーンよく書くなあと、脚本家のセンスに感心しました。