一昨年の10月頃に将棋を始めたこうき。
始めた頃は将棋に対して、私から見ても初々しく、
わくわくして、まるで「春」のようでした。
年が明けた去年。
ガンガンに将棋にのめり込み、将棋盤や駒まで作った、
熱い「夏」のような一年間でした。
そして今年を迎え。
負けると腹は立つし、勝ってももう前のように楽しくない…
こんなふうに言い始め、彼の中では木枯らしが吹き始めたようでした。
そして今。
どうやら「冬」の到来のようです。
将棋はいったんお休み。
毎日PCにかじりついていたのに、ネット将棋も指さなくなりました。
将棋が嫌いになったわけではないようです。
今でも彼の部屋からは、時々パチパチと駒の音が聞こえてきます。
でも、彼の中で何か変化が起きたようです。
先日、中学の担任がうちに来ました。
中3のこの時期、先生は「認定」というのをするそうで、
担任が自分のクラスのひとりひとり、
今彼(彼女)は何を頑張って、これからこういう進路に進むために卒業させてください、
ということを、他の先生の前でプレゼン的に話をするんだそうです。
だから、今、あなたは何を頑張っていますか?と尋ねられました。
こうきは正直に話しました。
「今は、精神的に自立することを努力しています」と。
先生は、3年間受け持ってもらったので、
彼の、やりたいことを見つけた時の探求のすごさを感じてくれていたので
こうきのその言葉を受け止めた上で、認定の言葉を考えてくれることになりました。
今、彼は悶々とした日々を送っているようです。
不安に襲われたり、孤独を感じたりすることもあるのでしょう、
元気がないな、と思う日もあります。
でも、春は必ずやって来る!
植物たちが雪の下で、あるいは土の中で芽吹く準備をしているように、
今は彼にとって必要な季節なのだと思います。
この「冬」も、慌てずゆっくり大切に過ごしてほしいと願っています。
外では雪が。
私もゆっくりと春を待ちます。
のば