本の迷宮

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ライヤー教授の午後 (高橋葉介)

2007-10-05 15:28:37 | 漫画家(た行)
(昭和55年発行)

<カバー折り返し部分の説明より>
ふしぎなふしぎな物語。
奇抜な発想、ブラックな味覚、鋭いエスプリ・・・
ヨウスケの豊潤な感覚が、あなたをえもいわれぬワンダー・ランドへとお招きする。
トロリとした美味が、あなたの日常を鮮やかに生き返らせる!


高橋葉介の初期の作品。
この頃の筆のタッチの素晴らしさは、今読み返しても全く色褪せていない。

不思議で魅力的な葉介ワールドを表現するのには、この筆のタッチが最適だろう。
普通のGペンなどでは逆立ちしたってこの雰囲気を表すことは出来ない。

こういうのはナンセンスコミックとでも言うのかな?
とにかく発想がすごい!
心臓をペットにしたり、首が売り買いされたり、目玉や口や耳が勝手に動き出す世界。

キャラも実にいい!
ミリオン少年は可愛いし、
ライヤー教授もとぼけた味わいがあるし、
何と言っても猫婦人が最高にいい!!!

美しく、妖艶で、自分勝手で、わがままで、残酷で天然・・・。
この後「夢幻紳士」(冒険編)で、魔実也くんのおばさんとして登場してたけど、作者も結構このキャラが気に入ってるのではなかろうか?

ラスト、ミリオンがつぶやくセリフがいい。
まあ、色んな所で色んな人が同じような意味のことを言っているから、目新しいものではないんだけどね。



いま僕のいるこの世界が
夢じゃないなんて誰がいえる?
いまこの瞬間僕をゆり起こす者が居ても不思議じゃない
そうしてまた別の悪夢が始まるのさ
悪夢なら悪夢でその中をせいいっぱい生きるよりしかたがないんだ……


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