ガチ坊の おもひで日誌

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木村荘十二氏の兄いもうと

2015-07-24 08:00:00 | 映画


この映画は成瀬巳喜男監督で見てたんですが、同じ東宝(当時はPCL)の木村荘十二監督のバージョンを始めてみました。製作年は昭和11年、原作は室生犀星氏の同名「あにいもうと」昭和9年に文藝春秋7月号にて発表、翌昭和10年に第1回文芸懇話会賞を受賞した作品です。

こういうテーマや作風を当時「傾向映画」といって、どちらか言いますと左向いたジャンルの映画だそうです。

主演はこの頃のモダン女優の竹久千恵子さん、お綺麗です。モガの代表と言われた方で、戦後は映画出演を控えてハワイで暮らしておられたようです。

「兄いもうと」というくらいですから兄さん役の人がいますが、丸山定夫さん。この人のことはよく知りません。なんだかずっと眉間にシワを寄せて不機嫌そうです。この映画では石職人ですが、あまり働きのいい職人ではなくムラッ気がある役です。

オヤジはこの地域の川の堤防や灌漑とかに従事する親方で、荒くれ人夫の棟梁です。口よりも手が早いタイプ。お母さんともう一人妹がいます。こちらは気のいい優しいキャラ。

この家族に竹久さんが都会に働きに出た時に知り合った学生さんが、成瀬監督の映画でお馴染み大川平八郎さんが出てます、モボっぽくてカッコイイ二枚目です。東京へ女中奉公に行っていた竹久さんが郷里に帰ってくるが、彼女は奉公先で出会った学生(大川さん)の子供を身ごもって帰ってきた。

兄の丸山さんと何かにつけて喧嘩をするシーンから始まってます。母親は娘をかばいますが気の荒い父親は何も言わずに黙ってます。同じく働きに出ている妹はハラハラしながら兄と姉さんの行く末を案じてます。

月日が経ってそこに東京から訪ねてきた今は社会人となった元学生が父親と面会します。子供は死産で娘も今は家にいないと告げ、元学生は自分の父親に止められ、直ぐに来ることができなかったことを詫びます。父親は暴力をふるうこともなく、人を泣かせるようなことをするな、と忠告してまた現場に出かけてしまいます。

心づけを残して家を出る元学生を見つけた兄は、後をつけ峠のハズレで家族のウップンを晴らすかのようにこっぴどく相手を叩きのめします。

久しぶりに帰ってきた竹久さんが、兄のその始末に烈火のごとく怒り、兄を口汚くなじります。元々仲が良かったが、兄は妹の妊娠を機に激しく対立しながら、心の底ではお互いにかばい合いする屈折した兄妹の複雑な家族関係を淡々と描いた一作です。

ハッピーエンドとかでは有りませんので、そういう結末に慣れた人は後味悪い映画でしょうが、或る家族の人生の断片を切り取った作品ですね。この小説の妊娠して帰ってきた妹の人生模様にはモデルが有り室生犀星の養母・赤井ハツがヒントとなっているそうです。

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