チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

エリザベス・ストラウト「海辺のルーシー」

2023年05月23日 | 

雨、19度、90%

 昨年11月に刊行されたエリザベス・ストラウトの新刊「海辺のルーシー」、予約して入手していたのに読み終わるのに半年もかかりました。主人の3年ぶりの帰国、ひと月も家にいました。私は朝から晩まで台所にいました。その主人が実家の売却を決めて、香港に戻りました。実家の後片付けは私の仕事になりました。そんな状態で本は一向に進みませんでした。

 エリザベス・ストラウトの本は「ギタリッジシリーズ」の方が翻訳が出ているので有名です。「ルーシー」が主人公の本は2冊目、ルーシーの設定はエリザベスその人をかぶせてると感じます。「海辺のルーシ」はパンデミックが始まったニューヨークから話で始まります。パンデミック当初のニューヨークの様子をテレビで見って記憶にある方も多いのではないでしょうか。医療も生活もパニックに陥っているかのような様子でした。

 作家のルーシーはそのニューヨークから初めの夫であるウィリアムの勧めで海辺の街へと逃れます。ルーシーもウィリアムも2度の離婚を経た二人です。科学者であるウィリアムは大きな感染を予知していたように、元妻ルーシーを連れて用意しておいた海辺の家へ逃れます。ニューヨークから逃れて来た者を地元の人は歓迎しません。それでも次第に受け入れられ2年目には家を買い取って二人が再婚するに至るまでの話です。

 二人の娘の家庭の話も絡んで来ます。身近な人の感染、死亡も話に盛り込まれています。ウィリアムの2度目の妻との行き来も話に出て来ます。エリザベスが描く話は重い空気を持つ作品でも大きな空気穴があって、最後にはホッとさせられます。「よかったね。」と微笑むことができます。一番多い感染者が出た当時のアメリカの様子にアメリカ人が描く生々しい興味もありました。

 ニューヨークの家を手放し、海辺の街メインに家を持ったルーシーとウィリアム、年齢は70歳代です。70歳目の前の私に置き換えると、元夫とはいえ、再婚し住みなれた街を離れるなどできるかしら?とアメリカ人のものの捉え方に溝を感じます。何が違うのかな?元気といえば元気ですが、そうでなく世界観の違いのような気がします。

 やっといつもの時間にデッキに座って、本を広げるようになりました。気になる本を買い溜めてしまいました。片端から読まなくては。この本まだ翻訳が出ていません。「海辺のルーシー」は私がつけた題名です。


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