
晴れ、19度、72%
普通の大きさの段ボールに入った私の冬服が香港の家に着きました。差出人は私です。この段ボールが着くまで、香港の家には私の長袖のTシャツ一枚すらありませんでした。私の不注意が生んだ大きな失敗談です。
実はモモと私は、10月の末には日本に帰ることにしていました。本帰国です。主人はまだまだ仕事で香港に残ります。私の帰国の大きな理由はモモの年齢です。短頭犬は飛行機に弱く目的地に着くと亡くなっているというケースもあるそうです。エアーラインもパグを乗せない、ブルドックは乗せない、フレンチブルは乗せないと様々規約があります。パグは嬉しいことにJALが乗せてくれます。それでもJAL自体の機材が飛んでいる便でないと乗れません。香港から日本行きのJALの便は数ありますが、機材がJALの便はわずは2本です。成田に着く便を選びました。
動物の検疫は狂犬病ゼロの日本はとても厳しいと聞いています。犬に関しては、2回続けての狂犬病予防接種、その抗体の血液検査がまず必要です。採血後、180日は日本に入国できません。まだまだ細かい手続きがありますが省きます。狂犬病の抗体検査もパス、180日経過後の10月の帰国に向けて8月の初めに日本の検疫所に書類を提出しました。この段階では入国許可ではありません。書類受理が出るだけです。8月4日、メールで申請をしました。ところがあっさりと拒否されました。2回続けての狂犬病注射とは、期限が切れる前に次の注射をするということです。ここ香港は3年に一度の狂犬病注射です。モモの最後の注射とその3年前の注射の間に1年近くのギャップがありました。私はそのことをすっかり忘れていました。
モモの場合、3年ごとの狂犬病の予防接種は11月です。接種しないといけない年の8月に私の母が亡くなりました。子供は私一人です。葬儀の手配、納骨全て私が一人で執り行いました。母の納骨は11月でした。モモの狂犬病の予防接種のことをすっかり忘れていたのです。一年近く経って思い出して注射を受けました。この一年近くのギャップが検疫所から指摘されたことでした。何度も検疫に関する書類を読み直したにもかかわらず、この私は大きな勘違いをしてしまいました。10月末には帰国できないとわかったのは、主人の誕生日の8月5日のことです。この一晩で私の体重が2キロも減りました。日本の検疫所にどうすればいいかを尋ねます。翌6日に朝一番で狂犬病の予防注射を受け再び血液検査です。書類を再び提出するにあたって、飛行機の便の変更も必要です。最終引越しの日にちも変更、たくさんの手続きの変更を余儀なくされました。
香港内では動物の血液検査はできません。モモの血液はイギリスに運ばれます。その結果と細かい書類とを再び日本の検疫所に提出したのは9月に入ってからです。動物検疫にに関する非常に細かい言葉のやり取りは難しいと聞いていました。獣医さんにも専門の業者に頼んだ方がいいと言われていたにもかかわらず、自分でやっていました。さすがに、もう無理だと根をあげました。動物を輸入、輸出専門業者の方に書類手続きを頼みました。最後の難関が飛行機に乗る2日前のモモの直前検査、その書類を香港側の検疫所に輸出願いとして提出します。次の日、検疫所の裏書のある書類を受け取って、その次の日に飛行機に乗ります。この2日間の細々したことはたとえ広東語が達者な方でも、専門知識がないとできないと言われています。
今、モモさん採血後180日間の待機中です。お願いしている動物輸送の方に言われました。「最後の難関は、日本の検疫所での審査ですよ。」いえ、その前にモモさんが無事に日本の地を踏んでくれるかが私の一番の気がかりです。日本に着く時は13歳になっています。
10月帰国のつもりの私は、7月に送り返した引越しの荷物第1便に私の冬服は全部入れました。先日帰国した折、段ボールひとつに冬のセーターや上着を詰めました。今朝は香港、朝の気温が初めて20度を切りました。さあ、あと3ヶ月、段ボールひとつの冬服で過ごします。この3ヶ月モモの体調を管理するのが私の一番の仕事です。
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