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ハイリーセンシティブチャイルドと「マシュマロ実験」、HSCの立場から眺めてみると 

2016年05月17日 | ハイリーセンシティブチャイルド

「マシュマロ実験」というのがあります。

60-70年代に、スタンフォード大学のウォルター・ミッシェル(Walter Mischel)氏が率いた研究です。アラスカでは、娘達の中学校でも、ヘルスの授業にビデオを見たりと、人の発達や行動について知る上で、世界的にも有名な実験とされています。

 

ユーチューブにも、いくつか現代版が載せられているようです。

マシュマロを前に我慢する子供達の表情!

 

 

実験では、まず実験者が、子供にマシュマロを渡してこう伝えます。
 
「このマシュマロ食べてもいいのだけれど、もし私が帰ってくるまで15分間待っていられたら、もう1つあげる。そうしたら、2つ食べられることになるのよ」
 
部屋を出て行く実験者。1人残され、マシュマロに向き合う子供。
 
この時、食べてしまった子と、食べずに待っていた子の成長を追跡してみたところ、食べずに最終的に2つ手に入れた子の方が、学業成績も良く、学校もドロップアウトせず卒業し、生活習慣病などにかかる確率もより少なかったと言います。

 

それでこの実験は、目の前のマシュマロをすぐに食べてしまわない「自制心(self-control)」のある子の方が、将来的により「成功」するんですよ、と結論付けられています。

 また、こうした 「将来のより大きな成果のために、自己の衝動や感情をコントロールし、目先の欲求を辛抱する能力」(Delayed gratification)のある子と、そうでない子では、「集中力」に関係するとされる「腹側線条体」と「前頭前皮質」の活発度において、著しい差異があると分かったといいます。

 

 

と、この実験、HSCについて思うとき、多分、ほとんどのHSCは、マシュマロに手を出さないだろうと思いませんか?

 

まず、もし実験者が「食べないでね。もし食べなかったら、もう一個あげるからね」と言ったとしたら、HSCの場合、まずは手をださないことは、容易に想像できます。その場の「律」に敏感なHSC、ひたすらじっと待ち続けるでしょう。

4歳ぐらいの時点では、特にですね。年齢もより上になり、いたずらっ子に囲まれたりと徐々にほぐれてきたり、ルールなどに対してより緩やかな気持ちを持てるようになってからだと、また違ってくるかもしれませんが。

 

では、実験者がこの「マシュマロ実験」にあるように、「食べていいのよ。でも食べなかったら、もう一個あげるね」と、その子の意志にゆだねたとしたら?

HSCの側から見てみると、そもそも見知らぬ場で、見知らぬ人にもらったものに手を出すことは、「かなりハードルの高い」こと。その場になれるのにもちょっと時間がかかりますから、突然、「用事あるから15分待っててね」と言い渡され、部屋に一人になったとするなら、何が起こっているかを反芻しあれやこれやと押し寄せる感情を巡らせていたら、マシュマロに手をだすまでもなく、実験者さんが戻ってくる時間になるんじゃないかなと。

 

それは、「自制心」が優れているから、というよりは、状況に圧倒され、一方踏み出す前により時間がかかるから、といった方が合っているかもしれません。

 マシュマロに手を出さなかった子の中には、「自制心が強く、将来のより大きな成果のために、自己の衝動や感情をコントロールし、目先の欲求を辛抱する能力がある」といった子に混ざり、こうしたHSC子達もいるんじゃないかと思います。

ひょっとしたら、こうした「敏感さ」も、研究の示す「将来様々な面で成功しやすい」ということに、貢献しているのかもしれませんね。

 

 

・この「マシュマロ実験」については、以前「別バージョン」についてまとめたことがあります。マシュマロを食べてしまわないのは、子供本人の「自制心」だけじゃなく、それまで育った環境で、「大人との間に信頼関係」を築けているかということを表している、といった報告の紹介です:

「『マシュマロ実験』別バージョンが示すもの、信頼関係を築くことの大切さ」

 

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