記憶の彼方へ

カラーとモノクロの写真と一緒に 日頃のなにげないエピソードやホッとするコトバを♪

ネオンに恋して

2010年01月13日 20時11分13秒 | Weblog
公演はあらかじめ問い合わせた通り三時間強で、劇場を出たのは10時を回っていた。
天王洲周辺のお店はすでに灯りが消えていて軽くコーヒーを飲めそうな店さえもなかったので大崎に出た。大崎の駅で降りるも、駅構内の店はすべて閉まっている。とりあえず改札を出てゲートシティ側へ歩いてみたがそれらしき店は見当たらない。期待薄で反対側にいってみた。すると窓の下の方から色とりどりのネオンが飛び込んできたあのときほどネオンがいとおしく感じたことはないだろう。2人して喜びいさんで階段を駆け降りた
そして古びたビルの中のいかにもな居酒屋に落ち着いた。お客さんはみんな会社帰りのくたびれたおじさんばかり。何故か皆群青色のスーツを着ていた。一見場違いかと思えたかも、いや端から見れば私たちもしっかり馴染んでいたのかもしれない。席についた時に飲み物は頼んだのだが料理の注文をなかなかとりに来てくれない。厨房の板前さんとちょうど真向かいに座ったKさんは手を振ってサインを送った。すると何を勘違いしたのか板前さんも手を振り返した冗談かと思ったがそうじゃなかったみたい。仕舞いには少し声を大きめに「すみませ~ん」とKさんが言った。
Kさんとは仕事上でのお付き合いがきっかけだが、なにかと趣味や持ち物などが全く同じだったりして、赤の他人とは思えない。じつは姉妹なんじゃないかと疑うほど。その証しにというわけではないが、私がひとりで撮ったプリクラを恥ずかしかったがもらっていただいた。もちろん無理強いなんかじゃないよ。しかしさすがにハサミを持ち歩いてはいない。するとKさんは臆することなく料理を運んできた店員さんに、ハサミありますか?と、まるで料理を追加するように自然にお願いした。店員さんも驚くわけでもなく、「ありますよ」とフツーに答えた。これで無事Kさんの手帳の一頁に私の分身が貼り付いた。
もっと話をしたかったが既に時間が遅く、店を出たのは我々が最後だった。
大人になってから出逢う同性の知り合いもなかなかいいものです。
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