WIND BENEATH MY WINGS

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「ローマ人の物語」より、ユリウス・カエサルにみるリーダーの条件

2011-05-26 00:52:17 | チームや組織、どうしたら機能する!?
2007年10月21日に書かれたこの投稿は、
投稿6300件を超えたうちのブログの中で
もっとも読まれている投稿のひとつであると
推察されます。

なぜなのか?

私は推論はこうです。

いまのように、先のみえない想定外の世の中では、
経営者や管理職には日本の戦国武将やローマの武将たちのように、
即断力、カリスマ、真のリーダーシップが問われていると思います。

きちんとしたビジョンを描き、社員を引っ張れない経営陣や
実力もないのに肩書きだけついちゃったようなリーダーがいると
企業の存続に関わる。
戦争と同じで、リーダーが無能だと人が死ぬ、
本当に人が死ぬ時代なのです。
そんな時代に、あらためてリーダーのあり方が
問われているのだと思います。

稚拙な文章で恥ずかしくなりますが、
とりあえず、手を入れずそのまま載せますね。



*****2007年10月21日投稿********

第二次ポエニ戦役、ザマの会戦で、
スキピオ(ローマ)がハンニバル(カルタゴ)を破り、
その後第三次ポエニ戦役で、カルタゴは滅亡した。
この部分は、塩野七生氏「ローマ人の物語」ハンニバル戦記にあたる。

私(というかおそらくどの読者も)が次に興奮するのは、
ユリウス・カエサル~ルビコン以前&以後」だと思う。

ここで、塩野氏が、
「ルビコン」を渡る前と後に巻をわけているのが上手い。

では、「ルビコンを渡る」って?

「ルビコン」は川の名前。
ローマ時代に、ルビコン川より内側(ローマに近いほう)
には軍隊をつれてはいってはいけないことになっていた。
それに違反すると反逆者となる。

ユリウス・カエサル(シーザー)が
政敵(元老院&かつがれたポンペイウス)
を討つためにルビコン川を渡ってローマに攻め入る。
この時軍隊を連れてルビコン川を渡ったので、
その時点で反逆者となり後戻り不可能となった。

つまり、「ルビコン川を越える」は
乾坤一擲の勝負をする」とほぼ同意義で、
「運命を賭して、後戻りの決してできない、
のるかそるかの勝負をする」
ときに使われる。

カエサルは自らと軍団の命と運命を賭けて、
ルビコンを渡り、歴史を変えた。
よく政治家などが、たいしたことがないのに
「ルビコンを渡る」なんて言ってしまうが、
状況によっては、
かっこ悪いんじゃないかと思ったりする。

まあ、ともかく、紀元前49年1月12日、
カエサルは「ルビコンを渡った」。

そして、
Alea jacta est
賽は投げられた
と言った。

だから、欧米では、運命を賭して、
後戻りの決してできない、
のるかそるかの勝負をするときに、その訳である、
The die is cast
というらしい。

このとき、
「カエサルは叫んだ!」
という人もいれば、
塩野氏のように
「淡々としていた」
と言う人もいる。

まあ、なんといっても2000年以上前のことなので、
今更立証することはできないが、
もしこの瞬間のライブ中継が、時空を超えて実現し、
「今日の7時から、ユリウス・カエサルのルビコン渡河生生中継!
カエサル独占インタビュー」
なーんてことになったら、
世界中で凄い視聴率をとることだろうと、思う。

そして、世界中の人が知っている通り、
カエサルは「国賊」という立場でありながら、
さまざまな不利な状況を、時にはあざやかに、
ときには綱渡りで、形勢を逆転させ、内戦を制した。

さて、リーダー論に話を戻します。

ユリウス・カエサルについて

モンテスキュー
「いかなる軍隊を率いようとも勝利者になったであろうし、
いかなる国に生まれようとも指導者になったであろう」

イタリアの学校の教科書
「指導者に求められる資質は次の五つである。
知性、説得力、肉体上の耐久力、自己制御の能力、持続する意志。
カエサルだけが、このすべてを持っていた」

実際に、数々の逸話を読んでいると、
ユリウス・カエサルは
「リーダーとはかくあるべし」というお手本のような人だ。

ローマの教科書に習うと・・・。

①知性
■常に先を読んでいる。
■行動しながら、考えることが出来る。
■大局的に物事をみながら、同時に緻密に計算もしている。
■文章が上手い

②説得力
■演説が上手い
■手紙を書くのが得意。しかも筆まめ。
■女性にもてる。
■何人も愛人を持ちながら、誰ひとりとして(妻すらも)怒らせていない。
■部下(将官や兵士)は、どこへでもついて行きます状態。
■敵すらも自分の側に引き入れる。

③肉体上の耐久力
■暗殺されるまでは病気知らず。
■馬を御するのが上手い。
■行動が素早い、反射神経は鋭い。
■厳冬期も半ズボン。

④自己制御の能力
■いつも元気で冷静沈着、上機嫌。
■嫉妬や憎悪とは無縁、感情によって判断は狂うことはない。
■凹み知らず
■目先の利益、私利私欲とは無縁

⑤持続する意志
■常に大局的に物事をみつめ、
目的を達成するためにどうすればいいかを
考えている。
■目的を達成するたにめはどうすればいいかを、
具体的かつ現実的に考えて、実行に移す。
■苦しい時期には耐える意志、
成功したときには有頂天にならずにおさえる意志の強さを持っている。
■自らがなすべきことを完璧に理解しており、決してあきらめない。

そしてカエサル自身は、こう言っている。

「人間ならば誰にでも現実のすべてがみえるわけではない。
多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」。

彼には、過酷な現実がすべて見えていたのだと思う。
いくら楽観的な人だとしても、ルビコンを越えて、
軍団の命運まで背負った心のうちはいかなるものだったろう。
そんなすべての逆境をひっくりかえしての、勝利はひときわ輝く。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ただただ感嘆するばかり (かものはし)
2008-01-17 17:00:49
はじめまして。
指導者の資質について調べていたらこちらにたどり着きました。
 「・・・見たいと欲する現実しか見えていない」
本当ですね。どこまで自分を含めた世界を客観視できるのか?
最近、俯瞰してモノを見るように心がけているのですがなかなか難しいです。
返信する
コメント御礼 (くまより)
2008-01-18 21:10:48
かものはしさんお返事遅くなりました。
コメント有難うございます。
カエサルは男も女も惚れてしまう男ですよね~。
古代の人じゃなければ
ツメの垢でもせんじてのみたいです。

私も客観視なんかぜんぜんできていません。
まだまだ修行だなあと思う日々です。

ブログ拝見しました。
また時々お邪魔します。
どうぞ宜しくお願い申し上げます!!
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